研究課題/領域番号 |
24593459
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 みちえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (50300166)
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研究分担者 |
神庭 純子 西武文理大学, 看護学部, 教授 (20440589)
岩清水 伴美 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (60516748)
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 特定保健指導 / ヘルスリテラシー / ポピュレーションアプローチ / クラスター分析 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】市町村国保における特定保健指導対象者のメタボリックシンドローム(以下MetS)改善のためのヘルスリテラシーの獲得状況を明らかにし、ヘルスリテラシーへのポピュレーションアプローチの影響を検討することで、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの連動による効果的な特定保健指導対策への示唆を得ることにある。 【研究方法】S県F市の平成24年度特定保健指導対象者1.196名全員を対象に自記式質問紙調査を実施し、有効回答を得た452名(37.8%)のうち、翌年も継続受診した386名を分析対象とした。調査内容は、属性、背景及びヘルスリテラシー構成要素としてのMetSの基礎的知識5項目、健康管理行動10項目、健康情報把握行動9項目である。大学倫理委員会の承認を得て、回答は無記名とするが、調査票に任意の番号を記載し、行政機関の協力で、性別、年齢、2年間の健診結果と照合した。また、「知識正答数」「良好健康管理行動数」「良好情報把握行動数」の3変数を用いてクラスター分析した。 【結果】分析対象者のヘルスリテラシーは3変数が全て高い「良好群」、全てが低い「不良群」、それらの「中間群」の3クラスターに分類された。「良好群」は「女性、職業無し、一緒に運動する人がいる、保健委員の経験がある」の割合が他の群より有意に多かった。また、2年間の検査値の変化では「良好群」は体重、BMI、腹囲、LDL、HbA1cが有意に減少し、HDLは有意に増加した。一方「不良群」は全ての項目で有意な変化が無かった。 【結論】MetS改善のためのヘルスリテラシー「良好群」を増やすことはリスク保有者自体を減らすことにもつながり、そのためにはMetSの理解を深めるための啓発活動の強化、地区組織活動への参加啓発等の積極的なポピュレーションアプローチが必要であると示唆を得た。
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