研究課題/領域番号 |
24593460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
工藤 綾子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20258974)
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研究分担者 |
稲冨 恵子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10053141)
仁科 聖子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40449062)
横山 久美 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50434436)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 災害 / グループホーム / 小規模多機能型居宅介護 / 消防署 / 地域連携 |
研究概要 |
24年度は調査内容の検討と調査用紙作成並びに調査依頼書作成、倫理員会への審査、小規模多機能施設へのインタビュー調整と実施である。倫理委員会の審査においては順天堂大学医療看護学部倫理委員会より承認が得られた。インタビューの調整・実施は海外(イギリス)と国内で行った。国内では福島県会津若松市、秋田県にかほ市のグループホームの2か所と交渉し5月調査を実施する予定である。イギリスでは関連分野の学会発表と災害対応についてのインタビューを実施した。インタビューの対象者は、イギリスの地域ケア施設やクリニックにおいて感染管理を専門として従事している看護師3名である。インタビュー時間は20分程度とし、内容はイギリスにおいて想定される災害とその対策ならびに地域の小規模多機能施設(グループホーム)など高齢者ケア施設等における感染症予防およびアウトブレイク時や災害発生時の対応とした。イギリスで想定される災害の種類は感染症、火災、テロによる爆発などであった。研究発表等においては医療機関における感染予防に関する取り組みが多かったものの、刑務所や地域のケア施設などでの感染症の発生状況や対策などの報告や新型インフルエンザの流行を危機意識を持って防災に取り組むといった感染症が災害としての位置づけとなっている内容も認められた。 イギリスではそれぞれの災害に対して、感染症については感染管理専門家、テロに対しては行政の危機管理専門家といったその分野の専門職が対応にあたっていた。また、地域における災害発生時には施設や住宅など居住場に関係なく地域住民も救助の役割を担っており、平時から防災訓練等に参加するなどの活動が行われていた。イギリスの防災体制は、行政と地域の連携がシスティマチックに確立していることがうかがわれ、本研究の目的である地域の消防組織と高齢者施設との連携体制の構築に向けたヒントを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)及び小規模多機能型居宅介護(以下、両者を合わせて「小規模認知症ケア施設」とする)における防災機能の実態を明らかにすることである。地震、火事、洪水などの災害時を想定した近隣住民や消防署との関係性について現状を把握するとともに、自助・共助・公助の課題を明確にすることにより、今後の災害時における認知症高齢者の早期救出のための地域連携システムを構築する。そのために、本研究では研究期間内に2つの調査を行い、小規模認知症ケア施設の防災機能の実態を把握すると共に、災害時における認知症高齢者の早期救出のための地域連携システムを構築する. 調査の一つ目では小規模認知症ケア施設の施設責任者及び職員を対象に、災害時の備え,防災意識についての調査を実施するとともに災害時の安全対策に対する姿勢を明らかにする.そのための方法として、小規模認知症ケア施設の訪問、ヒアリング、関東、東北、近畿、九州地方それぞれ2施設を選択しインタビュー調査を実施する予定であったが、海外における災害対応把握のため、イギリスでの調査等を追加したため、国内の実態把握が進んでいない状況にある。そのため、早急に国内の小規模多機能施設の訪問を実施し国内の災害対応の把握に努める。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度前期は小規模認知症ケア施設の訪問、ヒアリング、実態把握(関東、東北、近畿、九州地方それぞれ2施設)を行い、小規模認知症ケア施設、全国の消防署への郵送法による調査を実施し、データ集計・結果の分析を行う。明らかになったものについては、学会発表につなげられるよう整理をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は小規模認知症ケア施設の訪問に伴う調査宿泊費並びに交通費、発送準備と委託費、発送作業委託、研究成果発表費用を計上する。パーソナルコンピューターの故 障のため、新規に購入する。
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