研究課題/領域番号 |
24593474
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坂井 さゆり 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40436770)
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研究分担者 |
宮坂 道夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30282619)
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キーワード | がん緩和ケア / 認知症緩和ケア / 医療倫理 / 教育プログラム |
研究概要 |
昨年度考案した7つのモジュール(信頼関係となるコミュニケーション、個人史をふまえた対象理解、全人的ヘルスアセスメントと安楽の提供、倫理的検討をふまえた看護ケア、家族を含めた看護ケア、患者・家族が安心できる場づくり、チームアプローチ)から成る、がんと認知症をともに持つ高齢者に対する緩和ケア教育プログラムを、引き続き検討した。講義、ロールプレイ、各種視聴覚教材、人生史の作成、倫理検討、シュミレイター学習など、どの段階の学習者に、どのような教材と方法がよいのかを検討した。 さらに、国内外において評価の高い認知症ケア(パーソン・センタード・ケア)および緩和ケア(ELNEC-J,ELNEC-Geriatric)に関する教育プログラムや、ケア評価法(認知症ケアマッピング)、統計解析法について情報収集を行い、その応用導入について検討した。 また、本プログラムは看護職を対象に検討しているが、高齢者ケア施設や地域においては、介護職との連携がケアの質向上に不可欠である。看護・介護連携となるための教材作成を新たに加え、多職種による学習方法についての検討も行った。 そして、認知症ケア・緩和ケアの研修受講歴のある学習者に対しては、倫理事例の検討により理解が深まることが示唆された。全国的に普及しているエンド・オブ・ライフケアの教育プログラムを前提とし、本プログラムをフォローアップ研修として実施することの実行可能性、有用性についても検討することで、他のプログラムとのつながりに一貫性ができ、より有用な教育プログラムになると考えられた。最終年度は、多様な学習者を対象に、さらに本プログラムの有用性について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラム内容について新たな検討課題があったため、進行がやや遅れているが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
モデル病棟の看護職・介護職に対する教育プログラム実施の段階、教材の有用性の検討を行う(研究代表者:坂井1~4、研究分担者:宮坂2~4)を1~4のように行う(平成25年度からの継続であるため同様に実施する)。 1.施設責任者あてに研究参加者(病棟)募集の案内を行い、研究参加者を選定する。看護職総計100名程度(介護職も同程度)、病棟は(一般病棟、療養病棟、緩和ケア病棟、がん拠点病院 各2か所程度)を随時すすめていく。 2.教育プログラム実施<講義>:前後テストで知識の向上についての評価、教材のわかりやすさの評価を行い有用性について検討する。 3.教育プログラム実施<演習>:「がんと認知症をともに持つ高齢者に対する緩和ケア評価指標」を活用し、自己・自施設評価を行う。改善に向け目標設定および計画を立案する。 4.教育プログラム実施<実習>:演習で立案した目標および計画を実践する。施設責任者・病棟責任者の協力を得ながら行う。アウトカム評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
3月末日までに必要研究費は全て消費している。 当初予定どおり平成26年度は当該年度分を使用する。
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