研究課題/領域番号 |
24593475
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
水野 恵理子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (40327979)
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研究分担者 |
岩崎 みすず 飯田女子短期大学, 看護学科, 教授 (00461872)
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キーワード | 統合失調症 / 主体的回復 / 精神看護 |
研究概要 |
本研究の目的は、統合失調症患者が捉える病からの回復の意味と回復過程における精神保健医療従事者の役割を質的分析により明らかにし、回復への意思を育むための看護援助を構築することである。 2013年度の予定は、2012年度より継続している統合失調症患者と施設職員の個別面接調査、分析と学会発表、施設職員のフォーカス・グループ面接を行うことであった。現在までのところ、入院・通院患者30名、職員22名の個別面接調査を終えている。分析のひとつである、精神科病棟看護師の面接内容の分析結果を14th International Mental Health Conference(2013年8月5~7日豪州)にて発表した。また、日本の精神障害者支援施設における回復支援活動との比較と情報収集のため、同じアジア圏内の台湾(台北市、高雄市)の精神障害者支援施設の見学、台北市精神保健リハビリテーション協会を訪問し精神保健医療に関する情報交換と共同研究実施の可能性について検討する機会を得た。 現在、統合失調症外来患者の個別面接調査の分析結果を海外学術誌へ投稿し、入院患者の分析結果を学会発表するための準備をしている。さらに、2014年3月に、個別面接を行った職員(精神科看護師、精神保健福祉士、生活支援員等)計7名に対して2グループのフォーカス・グループ面接を行った。 次年度は、入院患者と職員の個別面接とフォーカス・グループ面接の継続、面接内容の分析、学術誌・学会発表、当該研究3年間の実施内容と成果をまとめて報告書を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究参加者の協力を順調に得ることができ、当初の計画通りに研究が実施されているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初目標設定した統合失調症患者60名の面接調査を行うことを目指して、特に入院患者の協力が得られるよう精神科病院への協力依頼をさらに行うとともに、精神保健医療従事者から協力を得られる可能性があるため、引き続き職員対象の個別面接とフォーカス・グループ面接を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
面接ガイドやフォーカス・グループ面接の依頼書、同意書、逐語録に使用するコピー用紙等の消耗品の購入が当初予定より少なかったことと、学会発表抄録の英文校正費が当初予定額以内だったことが理由として考えられる。 分析結果の学会発表と論文発表の際の英文翻訳や校閲費として、次年度助成金とともに使用する予定である。
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