研究課題/領域番号 |
24593482
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
東 清巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90295113)
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研究分担者 |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
永井 眞由美 広島大学, その他の研究科, 准教授 (10274060)
植田 喜久子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40253067)
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 教授 (70315323)
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キーワード | 在宅療養移行介入モデル / 終末期がん患者 / 家族 / がん診療連携拠点病院 |
研究概要 |
高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデルの実用化を目指し、これまで実施してきた訪問看護師ならびに家族(遺族)へのフォーカス・グループ・インタビュー結果に基づき、原モデルの再修正を行った。修正したモデルを用いて、A市において、在宅移行に実績のある2か所のがん診療拠点病院の病棟看護師を対象に、高齢終末期がん患者の在宅移行に向けた介入依頼を開始した。開始に当たり、【ネットワークを強める】について、対象医療機関の地域連携室の看護師の支援を受けてさらに洗練化を行った。今回の介入では、モデルを意図的に使用してもらうことが重要であるため、対象として選定された2医療機関4部署の病棟看護師に対して説明に出向き、モデルの使い勝手、表現の理解等を再度確認した。また、モデル使用前後の病棟看護師ならびに所属部署の在宅移行に対する認識および実態の変化に基づきモデルの有用性を検討するため、当該医療機関10名の看護師を対象に、インタビューガイドに基づきインタビューを行い質的に分析した。介入開始後は退院調整カンファレンスに参加し、モデルを使用しての介入の実態を観察し、意見交換を行った。本介入は平成26年8月まで継続する予定である。 本年度は、モデルの実用化を明らかにするため「意図的なモデル活用」を最重要課題としていたこともあり、介入の依頼から開始まで予想以上に時間を要し、また当初承諾が得られていた1医療機関とは、研究方法について合意が得られず、結果として2医療機関への介入となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果である「在宅移行介入モデル」を用いた高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行を目的に、当初の量的調査から介入研究へ研究方法を大幅に変更した。A市の2か所のがん診療連携拠点病院の病棟看護師による「在宅移行介入モデル」を用いての再介入のため、協力施設への研究の主旨・方法の説明、方法に関する当該施設と研究者側のすり合わせ等に予想以上に時間を要し、対象2施設への介入開始が平成25年1月にずれ込んだ。
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今後の研究の推進方策 |
がん診療連携拠点病院における「高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデルの実用化」が目的であり、量的調査から意図的なモデル活用を目指した病棟看護師による介入研究へ研究方法を修正した。 介入を依頼した2医療機関4部署の病棟看護師に対する介入前インタビューが終了し、介入が開始されたところである。介入に当たって、「在宅移行介入モデル」が意図的に使用されるように、対象医療機関および病棟看護師と入念な打ち合わせを行うとともに、「在宅移行介入モデル」の使い勝手に配慮し、医療機関の意見を取り入れ医療機関ごとに様式等を変更するなどの工夫を行って開始した。さらに、地域連携部署の管理者へ、病棟看護師による介入に対する支援を依頼したことから、研究者も参加しての退院調整カンファレンス等においてリーダーシップが発揮され、カンファレンスが活性化されており、研究推進の牽引力として期待できると判断している。また、カンファレンスにおいて研究者-研究協力者間での対象事例の検討も推進方策として有用であると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究方法についての研究協力者との協議に予想以上の時間を要し、介入研究開始の時期が大幅に遅れたこと。 平成25年度の遂行内容が26年度にずれ込むため、予定していた研究協力者の専門的知識技術等への謝金、成果発表による旅費、学術雑誌への投稿、研究報告書作成に使用する。
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