研究課題/領域番号 |
24593484
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
緒方 重光 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40305173)
|
研究分担者 |
下高原 理恵 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50404538)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 解剖学 / 看護学 / リハビリテーション / 看護形態学 / 嚥下 |
研究概要 |
研究目的は「開口反射誘発法としてのK-point刺激法の形態学的・神経学的所見を踏まえて、より効果的な間接的機能訓練法を探り、嚥下リハビリテーションモデルを構築する」ことにある。そこで開口・嚥下運動を誘発する臼歯後三角最後部内側における末梢神経レベルでの観察を重点的に行い、これまで曖昧に表現されてきた見解の統一を試みた。新規標本を採取して既存資料で立てた仮説の検証と例数の増加を図るため、標本を蓄積した。記録作業として、神経起始部や血管の位置・本数・痕跡枝の有無の確認、剖出図描画、写真撮影を行なった。剖出標本は、経験を積んだ現在の目で見ると染色法や剖出技術が劣る上、着目すべき部位がずれていたり、記録図が不十分だったりした。そのため、既存標本全体を再検査した。また、並行して、保管しているニホンザルの標本を用いて筋群、神経を剖出し、実体顕微鏡により支配神経の走行や栄養血管の分布状態、周囲組織との関係を観察した。次に、神経と血管との関係を明らかにするために、既存、新規を併せた摘出標本の動脈に、着色樹脂を注入してみた。頭側を結紮して、動脈の太さに応じた注射針(最細33G)を使って手圧で注入したが、固定標本であるため血栓等で滞る場合は、遠位に注射針を刺入する作業を繰り返した。標本の固定状態や血管壁の脆さによっては、着色ゼラチン溶液やラテックスゴムの方が良好な結果を得られた。この手法を実習中に偶然発見した大心静脈に援用したところ、良好な結果が得られたので、副次的に論文としてまとめた。最後に、神経と剖出した動脈、周囲の静脈を含む軟組織との関係を詳細に解剖図として記録した。特に進入部位、位置関係、動脈、他の動脈との吻合関係など、従来とは異なる視点で観察にあたった。剖出過程で随時、導入したマイクロスコープShuttlePixを使って写真撮影を実施して最終的な立体モデル作製の補正資料とした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画案の通りに、研究機材を購入・使用して一定の成果がでている。その結果として分担研究者とともに英論文にまとめることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
解析・計測用コンピュータおよびソフトウェアを用いて、神経分布の形態計測を行い定量的な測定値を得る。さらに、神経分布および形態を視覚的、数値的に比較し、ヒトとニホンザルの相違について分析を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
主要な研究機材は揃ったので、試薬購入、実験用消耗品と情報収集のための学会参加費用とする。
|