研究課題/領域番号 |
24593487
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
原 美弥子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (00276172)
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研究分担者 |
眞鍋 知子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (40573598)
佐藤 正樹 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 助教 (30570163)
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キーワード | 在宅看護 / 在宅リハビリテーション / 中国医学(気功) / 運動療法 |
研究概要 |
【目的】監視型心臓リハビリテーションセッション内だけでは効果的なレジスタンス運動を実施することは難しい。そこで、在宅および大学キャンパスで実施する心臓病支援プログラムとして、在宅でも実施可能なゴムバンドを用いた筋力トレーニング(以下、ゴムバンド筋トレ)が、筋力量の改善に有効か検討した。【方法】対象は6ヶ月間心リハに継続参加した心臓病患者6名(平均62歳、男3名、女3名)。心リハ時の集団での筋トレに加えて、自宅でのゴムバンド筋トレを実施するよう指導した。ゴムバンド筋トレは10通りの運動で構成し、ゴムバンドはゴム伸張率の異なる4種類を患者に合わせて選び使用した。筋肉量、筋肉率は大和製衡製高精度体組成計を用い、AT、PeakVO2は心肺運動負荷試験にて測定し、心リハ開始前と6カ月後で比較した。【結果】筋肉量(筋肉率)は18.3±6.4kg(28.9±4.5%)から19.3±5.5kg(30.8±4.5%)(p<0.05)に増加した。運動耐容能はATVO2:13.0±3.9から14.9±41.1ml/kg/min(p<0.05)に、Peak VO2は18.4±6.2から21.8±6.7ml/kg/minに増加した。【結論】心リハに在宅でのゴムバンド筋トレを併用することで筋肉量と運動耐容能が改善した。ゴムバンド筋トレは心筋梗塞の2次予防のためのレジスタンス運動として、簡便で安全に実施できキャンパス心臓病支援プログラムのひとつとして活用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
在宅心臓病患者を対象に在宅および大学キャンパスで実施するキャンパス心臓病支援プログラム(CCSP)の運動療法として、ゴムバンドを用いた筋力トレーニングの効果を評価することができた。しかし、キャンパス心臓病支援プログラムの展開に至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策) 1)心臓リハビリテーション参加者7名(平成26年3月現在)を対象にタイプDパーソナリティに対する心理的介入プログラムとして自律訓練法(アロマ療法を併用)によるタイプDの改善を評価する。現在継続中。2)本研究で効果が検証された運動療法および心理的介入プログラムを統合したキャンパス心臓病支援プログラムの効果を明らかにする。そのための研究計画の倫理審査を申請する。3)キャンパス心臓病支援プログラムの実施・継続状況のモニタリング(健康記録表)方法を検討していく。健康記録のモニタリング方法は電子通信媒体を用いた方法ついて、情報工学の専門家による支援を受けて進める。以上の3点を計画している。 (次年度の研究費の使用計画) 1)キャンパス心臓病支援プログラム展開では以下の物品等の購入、支出を計画している キャンパス心臓病支援プログラムに関して:運動療法に用いるゴムバンド、安全管理に用いる心拍数測定時計(Polar)、自律訓練法に併用するアロマ療法のアロマオイル等、エクササイズマットなど,キャンパス心臓病支援プログラムのモニタリングに関して:電子媒体活用に関する専門的知識の提供(謝金)、PC・電子媒体(web)関連物品など、2)研究成果報告のための学会参加費およびかかる交通費、3)論文校正、論文投稿料など、4)心臓リハビリテーション、運動療法、心理、高齢者医療保健介護等に関する書籍、文献資料代、5)研究参加謝礼品、研究補助謝金など
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はキャンパス心臓病支援プログラムに組み込む運動療法のプログラム開発、その介入効果の検証を行った。運動プログラムに使用したゴムバンド、心肺運動負荷試験等は調査フィールドにおいて借用することができた。そのため、それに係る物品および検査測定の費用支出が不要となり、次年度使用額が生じた。 平成26年度はキャンパス心臓支援プログラムを在宅で展開する計画のため、研究参加が使用するゴムバンドやエクササイズマット、モニタリング用の心拍数測定時計の購入、心肺運動試験検査費用に支出することを計画している。
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