研究課題/領域番号 |
24593491
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
仲 貴子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (90415498)
|
研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 地域在住高齢者 / コホート研究 / 足部障害 / 疼痛 / 生活機能 |
研究概要 |
本研究では、わが国の地域在住高齢者の無作為標本を対象に、足部障害(足部異常、足部痛、足部痛による能力障害を含む)の実態を縦断的に調査し、足部障害の発生・改善と、運動機能的要因、生活機能的要因、生活習慣的要因、心理社会的要因の各変数との因果関係を分析することで、足部痛による能力障害の発生を予防するための効果的介入手法を開発するための基礎資料とすることを目的としている。 本年度は4年間の研究期間の初年度であることから、地域無作為サンプルを対象とした調査を実施し、前向きコホート研究のベースラインデータベースを構築した。調査対象は千葉県松戸市に居住する65~84歳の男女高齢者とし、住民基本台帳を用いて層化無作為抽出した3,000名を対象に郵送質問紙調査を実施した。調査内容は、足部痛を含む腰部・下肢関節痛と、足部ケアに関する習慣、運動機能の状況、生活機能の状況、生活習慣の状況、心理社会的状況、社会参加の状況等であった。この調査の回収率は46.8%であった。 調査実施には学際的な研究者により調査票の開発、調査実施の方法、調査結果の分析について検討を重ねた。 次年度以降、会場検診型の足部障害調査を実施し、本調査以降の足部障害発生等の情報と連結して分析を進める計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
8月中の郵送調査実施を計画していたが、調査票の開発、調査実施方法に関する検討に重きをおき、3月に調査票を発送し、現在データクリーニングを実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度実施した郵送質問紙調査の回答者のうち、足部痛による能力障害のある高齢者を選出し、同数の対照群とともに足部障害の検査 (足部異常のスクリーニング検査、足部機能検査、足部痛検査) と身体機能測定、履物の特徴に関する調査を行う。本研究では特に足部障害の実態と身体機能変数、履物の特徴との関連について検討する。さらに、次年度の調査データは今年度行った郵送質問紙調査の結果と統合してベースラインデータとし、2015年度に行う追跡調査のデータと照合することにより、足部痛による能力障害の発生と改善に影響を及ぼす要因を明らかにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度に計画している会場検診型足部障害調査に向け、足趾筋力測定手法の信頼性・妥当性の検証を行う必要が生じたため、若年成人を対象とした足趾筋力と身体運動パフォーマンスに関する予備実験を行うこととなり、当該研究費の一部を次年度に繰り越した。 次年度は、はじめにこの足趾筋力測定手法の予備的研究の成果を元に足部障害スクリーニング検査手法を決定する。 次いで、本調査として会場検診型足部障害調査を行う。本調査は、初年度に実施したベースライン調査対象者のうち足部痛による能力障害のある者と、年齢性別をマッチングした同数の対照群を選出し、足部障害スクリーニング検査(足部異常検査、足部機能検査、足部疼痛検査) を実施し、併せて身体機能的変数 (バランス機能、歩行機能、下肢筋力) の測定と履物の調査を行う。ここから高齢者に多くみられる足部障害特性を明らかにするとともに、足部痛による能力障害と関連のある足部障害の特性と、これの身体機能的特徴・履物の特徴を明らかにする。
|