研究課題
<最終年度に実施した研究の成果>一過疎地域の国保診療所看護師等の支援関係者と共に2事例の援助過程を振り返り、援助の成果と課題を分析した。さらに、2事例と類似する在宅ケアニーズを抱える住民への支援経験等も想起し、当該地域における在宅ケア充実に向けた課題について検討し、その内容を整理した。<研究期間全体を通じた研究の成果>先駆的活動として、過疎地域の市町村保健師が在宅ケア体制充実に向けて取り組み、成果が確認された2町の活動事例を調査対象とした。面接調査と面接対象者の著した文献から在宅ケア体制の構築を導いた活動を抽出した。その結果、48件の活動が抽出され、看護職が果たした機能の内容は13に分類することができた。一過疎地域の国保診療所において、在宅療養支援中の診療所利用者2事例について、支援関係者に集まってもらい在宅ケア充実をめざした事例検討会を継続的に実施し、援助過程を記述した。援助過程を振り返り、援助の成果と課題、当該地域の在宅ケア充実に向けた課題を整理したところ、11件の課題が見出された。前述した11件の課題を解決するため、先駆的活動から分析した13の看護職の機能が有用かどうか検討した。その結果、[当事者による主体的な療養や介護を支える][当事者のニーズに対応する必要性や意義を住民に理解してもらう][関係者が協働して課題解決に取り組めるよう自ら動き働きかける][在宅ケア体制を支える援助関係者の力量を高める]が有用であると考えられた。特に、従来の方法では解決困難な事例に取り組むことにより、これらの機能は強化されると考えられた。また、[在宅ケアニーズを査定し、町の健康課題として位置づける]は、看護職が在宅ケア体制構築を図るために不可欠な機能であると考えられた。
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