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2012 年度 実施状況報告書

パーキンソン病高齢者の家族介護者を中心とした在宅療養生活支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24593495
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡県立大学

研究代表者

冨安 眞理  静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50367588)

研究分担者 森野 智子  静岡県立大学短期大学部, 歯科衛生学科, 講師 (20582703)
今福 恵子  静岡県立大学短期大学部, 看護学科, 講師 (80342088)
紙屋 克子  静岡県立大学, 看護学部, 教授 (90272202)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード訪問看護 / パーキンソン病 / 家族介護者 / 療養生活支援
研究概要

【目的】パーキンソン病高齢者(以下 PD高齢者とする。)が、身体の自由度を向上させ、生活を楽しむことを可能にするプログラムを開発することは、本人のみならず家族のQOL向上と介護負担軽減の実証的根拠が得られると期待できる。ムーブメントプログラム(紙屋, 2011)と「口腔に関する情報シート」の作成に取り組み、 PD高齢者の在宅療養生活に及ぼす影響を検討した。
【方法】研究デザインは、事例研究であり、在宅で療養生活を送るPD高齢者5名にプログラムを適用した。初回訪問時に口腔に関する情報収集を行い、PD高齢者と家族にムーブメントプログラム(1ヶ月間)の実施依頼を行った。プログラム担当者は、生活支援技術セミナーの受講者とした。プログラムの実施とあわせて、症状日誌の記載を本人と家族に依頼した。在宅療養生活に及ぼす影響を検討するために、次の評価項目 ①オフの出現時間、②外出の頻度、③姿勢の保持、④転倒の有無、⑤プログラムの実用可能性、を設定した。
【結果】1名が中断したが、PD高齢者である男性3名、女性1名(平均年齢66.8歳)は、最後まで継続できた。評価項目ごとの介入効果の検討し、①オフの出現時間は、プログラム開始2週間から経時的に減少する変化を示した。②買い物や旅行、ドライブに出かけるなど、外出頻度が増えた。③座位、立位保持が安定した。④プログラム実施中は、転倒がなかった、との結果を得た。⑤プログラムの実用可能性については、家族介護者である男性1名、女性3名(平均年齢66.0歳)から、屋内で気軽に実施でき、介護者の見守りなしで安全に実施できるとの評価を得た。
【結論】プログラム実施期間中、抗PD薬の使用に変化がなかったにもかかわらず、評価項目において在宅療養生活の改善がなされた。このことから、本プログラムは、PD高齢者の身体の自由度および生活の質向上に効果があったと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、加齢に伴う身体機能の低下と薬効の減弱化による障がいをあわせもつPD高齢者を介護する家族を中心とした在宅療養生活支援プログラムの開発とその評価を行うことを目的とする。平成24年度において、在宅療養生活支援プログラムの開発に取り組んだ。家族介護者の主体的な取り組みを促進するプログラムの作成 として、①生活支援技術を導入したムーブメントプログラム予備調査 ②PD高齢者の口腔ケア情報シートの開発を計画し、実施することができた。予備調査の結果から、平成25年度において、運動・嚥下・排泄障がいをあわせもつPD者(65歳以上,ヤールIII~V)の生活機能低下への対応が必要な家族介護者の主体的な取り組みを促す、訪問看護による支援プログラムに取り組む予定である。なお、当初研究デザインは、便宜的標本抽出による準実験研究デザインとし、プログラムに参加する家族介護者を介入群とし、通常のケアを利用する家族介護者を比較群と設定し、2群間比較によるプログラム評価を行うことを予定していた。しかしながら、PD高齢者の運動症状は個別性が強く、プログラムの効果について事例ごとに比較検討していく必要があることが判明した。このことから、研究デザインは、非ランダム化前後比較試験に変更する。なお、PD高齢者20名と家族介護者のリクルートについては、訪問看護事業所の協力を得て行う予定である。

今後の研究の推進方策

平成25年度は在宅療養生活支援プログラムの実施にあたり、次の4項目に取り組む予定である。1)訪問看護ステーション等の看護師を対象とする研修会の実施 2)在宅療養生活支援プログラム運営 3)プログラム評価 4)H24年度研究成果の公表
PD者(65歳以上,ヤールIII~V)20名とその家族介護者に在宅療養生活支援プログラムを適用する。研究者によるムーブメントプログラムの指導及び助言と訪問看護師によるモニタリングを1ヶ月間行う、非ランダム化前後比較試験を実施する。さらに、初回訪問時に「口腔に関する情報シート」を活用した食支援を行う。在宅療養生活支援プログラム実施に先立ち、研修会の実施を行うことにより、訪問看護ステーション等の看護師からの協力を得る仕組みづくりを行う。 家族介護者20名に、 プログラム前後、1か月後面接による健康関連QOL(SF-36v2)下位尺度および自己効力、度得点を成果変数とする質問紙調査を3回行う。なお、PD高齢者のムーブメントプログラムの評価指標は、①転倒の有無、②歩行速度、③立位、座位姿勢、④外出頻度とする。
平成25年度以降の研究の推進方策に示唆を得ることを目的とし、日本公衆衛生学会及び家族看護学会において、平成24年度の研究成果を公表する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] パーキンソン病者を中心としたムーブメントプログラムが在宅療養生活に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      冨安眞理、森野智子、今福恵子、紙屋克子
    • 学会等名
      第3回せいれい看護学会
    • 発表場所
      聖隷クリストファー大学

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公開日: 2014-07-24  

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