研究課題/領域番号 |
24593498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
岩瀬 信夫 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (40232673)
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研究分担者 |
糟谷 久美子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10553357)
中戸川 早苗 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (60514726)
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80405539)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 精神看護 / 専門看護師 / 臨床実践能力 / 教育プログラム / 遠隔 / スーパービジョン |
研究概要 |
1.精神看護専門看護師の教育訓練のためのフィールド開発を行い、最終的に技術内容を「弁証法的行動療法」とし、その訓練場所を名古屋市内の精神科クリニックの空き時間を確保した。それに基づき、「「感情調節技能向上のための学習会」におけるフォーカスグループによる事例研究」というタイトルで平成25年2月12日付けで愛知県立大学研究倫理委員会に研究計画書を添えて倫理審査の申請を行い、現在看護部会を通過し大学の本委員会において審査中である。 2.通信実験の実施を行った。テレビ会議システムの通年使用の契約をエイネット株式会社と行い、Fresh Voice ASPの5ユーザーのパックを使用し、資料提示を含む多地点のテレビ会議での通信実験を行い、十分遠隔スーパービジョンに使用可能であることを確認した。 3.弁証法的行動療法の習熟訓練を東京都三鷹市の長谷川病院を訪問し指導を受けたり、遊佐安一朗氏より指導を受け、技術力の洗練を行い、H25年度の愛知県立大学看護学部の新入生にマインドフルネスのレーズンプラクティスと呼吸、及び感情耐性について2時間のセッションを実施し、技術到達度の確認を行った。 4.質問紙調査の準備を行っている。精神看護専門看護師のセラピー的な技術内容を各大学院のシラバスを取り寄せ検討し、H25年度に質問紙調査を行う内容の検討を行う準備を行った。精神看護専門看護師の使う治療的技術の内容、訓練を受ける方法、費用等について質問紙を検討している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
精神看護専門看護師の治療的介入に関して多地点での実践フィールドの開発を行おうと試みているが、組織を超えての連携を構築していくことが、患者またはクライアントとしての看護師や家族に対する守秘義務のために、匿名化を図ったとしても、研究として扱った場合、各病院の個人情報保護に関する規程に抵触するリスクが高いことがハードルとなった。 そこで臨床訓練の場を作り、クライアントに最初から訓練のための個人情報や介入プロセスのスーパーバイザーへの提供を前提に参加していただき、そこに精神看護専門看護師や大学院生をファシリテーターとして招き入れ教育訓練を行い、そこから遠隔スーパービジョンを受ける仕組みを構築することとした。 方法的に十分安全かつ効果的に、費用対効果も期待できることを証明するため、研究計画に実態調査を加え、次のステップに繋げることとした。
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今後の研究の推進方策 |
スーパービジョンを受ける部分の経費を他の学内企画のセミナーと合わせる形で実施し、科研支出を節約した。 H25年度においては精神看護専門看護師の治療的技術の取得方法、技術の錬成のやめの教育訓練の受け方、および交通費、指導料を含めた費用に焦点をあてた実態調査を行う。 また、境界性パーソナリティー障害の方のための、「感情調節技能向上のための学習会」の運用を軌道に乗せ、東海地区での弁証法的行動療法の実践と訓練が行える体制を構築し、東京-名古屋間での遠隔スーパービジョン体制を構築する。 合わせて、テレビ会議システムを使用した事例検討への参加を遠隔地にいる修了生に呼びかけ、認知行動療法に限らず、専門看護師への遠隔スーパービジョンが行える体制を構築していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の直接経費予算枠は物品費6万旅費20万、人件費27万6千、その他26万4千と配分してあったが24年度の節約分17万余を通信コストの増加のため、WiFiルータ等の購入に10万円をあて、他は旅費に追加したい。 予算枠(合算) 項目物品費:16万に関してはWiFiルータの購入等に使用する。項目旅費:27万に関しては東京とのスーパービジョン体制構築のための旅費及び関連学会・研修費の参加に使用する。項目人件費:27万6千はスーパービジョン及び実態調査の集計のための雇用。項目その他:26万4千はエイネット株式会社のFresh Voice ASPの5ユーザーのパックの年間使用料23万余、その他調査費用としたい。
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