研究課題/領域番号 |
24593501
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
飯降 聖子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80335843)
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研究分担者 |
植村 小夜子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10342148)
松井 陽子 (末岡 陽子) 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30411044)
大橋 順子 (三上 順子) 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90524059)
馬場 文 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40616207)
小林 孝子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70305671)
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キーワード | 人工呼吸器 / 在宅療養者 / 災害時自助活動 / 災害時マニュアル / 個別支援計画 |
研究概要 |
研究者の人工呼吸器に関する知識の水準が違っていたので、病院の臨床工学士を大学に招き、人工呼吸器等を持参してもらった。その上で、最新の人工呼吸器の種類や各機種のメリット、デメリットや使用方法、緊急時の対応、業者のアクセス状況等、人工呼吸器に関する概論的なレクチャーを研究者全員で受け、知識を深めた。 地域包括支援センターに研究者2名が出向き、人工呼吸器を使用している在宅療養者の紹介を依頼し、該当者に協力依頼を打診してもらう。しかし、その方はその時点で、療養状況が不安定に付き、断られる。 訪問看護ステーションの所長会議に出向き、人工呼吸器を使用している在宅療養者の紹介を依頼した。その後、訪問看護ステーションから紹介を受けたケースに対して、ステーション看護師と共に訪問し、研究の説明を行い、協力を要請した。研究内容の説明や同意を得る際には具体的に詳細にわたって説明することを心がけた。 現時点で、11事例の訪問調査をすませている。各事例に付き、研究者が2名ずつで訪問した。小児が5事例で含まれている。現時点での訪問回数は、1回が2事例、2回の訪問が8事例、3回が1事例、4回が1事例である。主介護者や家屋の構造、自宅周囲の様子などの生活の状況、医療の関係機関、使用している呼吸器に関することなどの主に日常の生活状態に関する基本的な情報を収集した。それに加えて、人工呼吸器に関して普段困っていること、災害に関して不安に思っていること、行政や訪問看護ステーション、呼吸器メーカー、近隣などへの要望など、訪問調査書の項目に基づき調査を行った。内容については現在分析中である。 個々の事例に付き、求められている支援内容や自助活動の具体化について検討していく予定である。担当ケアマネージャーや保健所保健師と事例検討を進めている事例もある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究協力者を紹介していただく機関として、当初想定していた保健所からの協力が得られず、滑り出しでつまずいていた。2年目については、訪問看護ステーションからの事例紹介の協力が得られるようになった。そこからは、訪問調査活動を順調に行うことができた。遅れたスタートからは順調に立ち上がってきている。 しかし、研究当初のメンバーで研究が続けられず、研究者の入れ替えが続いたため、研究続行に関する認識の共通理解に手間取っている。また、それに基づく事例検討や事例検討を経た後の関係機関との調整などが遅れ気味になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
事例検討を行いながら研究員相互での共通理解を深めていく。研究員のみでなく、事例を中心とした関係職種が集まる機会についても検討していく。事例検討における分析を経て、事例の共通課題や各事例の特徴などを見いだしていく。災害時の自助活動において、各事例の課題の優先順位を決定し、課題解決の方法を具体的に検討する。特に自助活動において療養者、家族が自分たちの課題がどのようなことであるか、一緒に検討する。その上で、停電時などの具体的なシミュレーションについても、関係機関と相談の上実施していく。 各事例の課題が明確になった時点や一定の研究成果が見いだせた時点で、学会発表も行っていく。 事例検討において見いだされた共通事項に対するマニュアル化を検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に予定していた研究協力者を得るための活動に関して、行政機関への依頼がスムーズにいかず、手間と時間がかかり、訪問調査活動の取りかかりが遅れてしまった。2年目に訪問看護ステーションから研究協力者の紹介を得てからは、活動は比較的順調に進んだ。ただ、研究者の入れ替わりが激しく、当初のメンバーは2名に過ぎず、共通理解をするための時間を要している。それらが相まって、当初の計画通りの予算執行が行えていない現状にある。 訪問活動を行った際の録音の文字化を行い、事例のペーパーとして事例集を作成する。 当事者、研究者、関係機関を含めた事例検討を行った後に、実際の避難行動のシミュレーションを行っていく。そのための旅費や物品費として使用する。協力者の謝金としての費用を使用する。事例の支援計画が立案できた時点での学会発表、論文掲載などを行う。共通事項が見いだせたら、自助活動のマニュアル案を作成し、検討の上で、印刷する。印刷物が完成したら、研究協力者や関係機関などに郵送する費用も予定する。
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