研究課題
基盤研究(C)
本研究は、認知症高齢者とその家族の意思決定過程を認知症の早期から観察し、意思決定に関する影響要因とその変化を見出すことを目的とした。本人への聞き取りでは、記憶力低下を自覚している患者も多く、診断を受けることにより進行を食い止めたいと努力するなど、患者の思いに変化がみられた。しかし診断を受けたことも今後の見通しには繋がらず、意思決定に関してその都度の適切な支援の必要性が見出された。また介護支援専門員への調査では、決定に本人の意思が尊重されていると言い難い状況や、専門員自身も苦悩を抱えていることが明らかになり、本人、家族はもちろんのこと、支援する側のサポートも含めた包括的な支援の開発が望まれる。
老年看護学