研究課題/領域番号 |
24593505
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
長畑 多代 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (60285327)
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研究分担者 |
江口 恭子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10582299)
山内 加絵 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (40363197)
松田 千登勢 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (70285328)
山地 佳代 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (80285345)
笹谷 真由美 奈良佐保短期大学, その他部局等, 准教授 (50435327)
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キーワード | 老年看護学 / 特別養護老人ホーム / 看取りケア / 連携 |
研究概要 |
本研究の目的は、生活の場である特別養護老人ホーム(以下、特養とする)において、人生の終末期にある高齢者一人ひとりの個別性を重視した看取りを支援するための看護・介護連携モデルを開発することである。 平成25年度は看取りケアにおける看護・介護職の連携内容と方法を体系化し、実践への応用可能性の高い看護・介護職連携モデル試案の考案を目的とした。研究方法は面接調査による質的帰納的分析である。対象は、看護・介護職の連携に関する実践報告を専門誌に発表する等、連携への意識が高いと考えられる特養11施設に研究協力を得て、看取りケアでの看護・介護職連携を積極的に実践している看護職12名、介護職15名とした。面接調査では、看取りケアにおいて相手職種と連携している実践内容を具体的に話してもらい、職種ごとに分析した。その結果、看護職が介護職と連携している実践内容には【双方の専門性を活かした連携】【介護職のスキル向上に向けた支援】【連携を円滑にするための基盤づくり】の三つの枠組みがあり、《医療職としての判断や予測を伝える》《介護職のケアを医療面からバックアップする》《医療的なケアや判断を具体的に指導する》《介護職の不安を軽減するために一緒にケアを行う》《介護職から情報を得てアセスメントする》など13のカテゴリーが見いだされた。介護職が看護職と連携している実践内容では【看護職と連携して看取りケアを円滑に進めるための地盤づくり】【実践の中での看護職との連携】【介護職のスキル向上のための連携】の三つの枠組みがあり、《看護職との信頼関係を構築する》《連携の基盤となる体制をつくる》《看護職の医療的知識を活用する》《看護職の支えにより主体的にケアに取り組む》など7カテゴリーを見出した。これらのカテゴリーともとに、職種ごとの連携モデル原案を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は面接調査から連携モデル原案を作成し、グループインタビューによる内容の精錬によって試案作成を目指していたが、特養職員の職務上の問題からグループインタビューの実施が困難と判明したため、個別インタビューの強化を図ったものの、モデル原案の作成にとどまり、適用可能性を検討する試案レベルにまでは至らなかったため
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していたグループインタビューの実施が難しいため、研究計画を見直し、適用可能性の検討方法について修正する。具体的には研究者間によるモデル原案の検討をもとに試案V1を作成し、この試案をデルファイ調査によって内容検討、修正を加え精錬する。 実践への適用可能性の検討については、大阪府内の特養看護職を中心として立ち上げた研究会でのディスカッション、研究会メンバーの所属施設におけるアクションリサーチによって行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
郵送によるデルファイ調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。 次年度にデルファイ調査を実施する。
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