研究課題/領域番号 |
24593507
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
松田 千登勢 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (70285328)
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研究分担者 |
江口 恭子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10582299)
長畑 多代 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (60285327)
山地 佳代 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (80285345)
佐藤 淑子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (40249090)
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キーワード | 感染症 / リスクマネジメント / 特別養護老人ホーム |
研究概要 |
特別養護老人ホームにおいて施設内で集団発生し、罹患することで高齢者が重篤に陥りやすいインフルエンザや感染性胃腸炎等の感染症に対して、看護職が施設の中でどのような役割を果たし、感染管理を実践しているのかを明らかにすることを目的とした調査を行った。研究方法として、雑誌に感染症の記事を掲載または高齢者施設のケアの研究会に参加するなど感染管理を積極的に推進していると思われる施設の感染管理のリーダー的地位にある看護職6名を対象に半構造化面接を実施した。調査内容は感染対策委員会等のシステム、その中での看護職の役割と実践している感染予防、感染症発生時の対応、感染管理に対する教育についてであった。インタビュー内容は許可を得て録音し、それをもとに逐語録を作成し、その内容から感染管理の看護職の役割と実践している内容を抽出し、比較検討しながら、分類を行っていった。 その結果、看護職の感染管理には、看護職が中心となって感染管理を進めていく役割と高齢者の日々のケアを提供している介護士を中心に感染管理ができるように看護師が支えるという2つの役割があった。また、感染対策についてはスタンダードプリコーションの実施・環境整備、面会人の制限といった感染予防に力を入れた対策と感染症が発生した際にそれ以上拡大しないように対策を強化する2つの対応法があった。感染管理の教育として、重要視しているのは、日々の感染管理に対する意識づけであり、職員自身がトイレや廊下などの清掃を行うなど環境整備を習慣化することで意識づけを行い、継続するように働きかけていた。また、感染管理のチェックリストを作成し、職員同士がチェックするなど主体的に実施できるように働きかけていた。さらに、年に3・4回の感染管理の勉強会だけでなく、必要時に看護師から職員に情報や知識のを提供をするなその都度の教育の実践がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は特別養護老人ホームにおける感染管理の看護師の役割と実践内容の半構造化面接調査を実施、分析をするまでの計画をしていた。当初の予定では調査対象の施設を10施設としていたが、面接調査の協力を得ることが難しかっために6施設の調査にとどまった。また、分析に関しても面接調査の結果を踏まえて、施設の体制によって役割や実践内容が異なっており、計画していた面接内容だけでは十分でないと判断し、調査内容を調整しながら面接調査を実施したために、予定よりも遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
25年度実施の面接調査の残りを実施し、感染管理の役割と実践内容の分析を進めていく。 <感染症リスクマネジメント指標の作成> 面接調査で得た役割と実践内容のカテゴリーをもとに、感染症リスクマネジメント指標案を作成する。指標案の実践内容の表現等を老年看護・感染症看護の専門家に意見を聞き、指標案の修正を行う。修正した感染症リスクマネジメントの指標に関する質問調査票を全国から無作為抽出した特養1000施設の感染管理の責任を担う看護師を対象に郵送し、指標の内容の必要性等について回答してもらう。その結果はSPSSを用いて、量的に分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
面接調査の件数が当初の計画の10施設が6施設少なかったこと、他府県の施設が少なかったことから旅費、反訳料が少なかった。また学会発表の会場が勤務地より近かったために、計画の旅費を達成することができなかった。 次年度、残りの面接調査を実施することで旅費、反訳料を使用する。また、論文を2件を投稿予定であり、投稿に関する予算として使用する。さらに研究発表も海外を視野に入れ、旅費として使用する。
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