研究課題/領域番号 |
24593514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
狩谷 明美 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (50413464)
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研究分担者 |
國定 美香 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (30331838)
島内 節 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (70124401)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 在宅ケア / 高齢者ケア / 看取り / グリーフケア / リバプール・パスウェイ / イギリス |
研究概要 |
1.広島県三原市の地域密着型在宅看取りシステムを構築する目的で、地域包括ケアの関与者を集め,(合同検討会は、医師-訪問看護師-看護師-ケアマネージャー-訪問介護員-保健師による協議)月一度の研究会を開き、連携の課題について明らかにした。 本年度は、①病院勤務医-診療所医師との連携,②訪問介護員-ケアマネ-訪問看護師の連携強化に焦点を絞り,③協議の中から医師-訪問看護師-訪問介護員-ケアマネの連携を強化する為,三原市で専門医の少ない領域=腎疾患患者の連携について事例検討を行った。専門医-診療所医師の連携と同時に④食事指導を要する腎疾患者の指導を、ヘルパー-ケアマネ-ジャー-栄養士で情報共有し同じ食材食品を常時食べていることが明らかになり,次年度は配食サービスを企画する中で,患者家族と専門職間の連携に必要な条件について継続して検討する。 2.広島県呉市訪問看護師を中心に,広島県全域の看取りの状況を調査した。その結果,訪問看護師と家族の認識の差として,死の直前の症状のうち呼吸困難の緩和が不十分であるという項目が上がった。引き続き訪問看護師用「看取りのパス」を作成する。 3.広島県福山市のA居宅訪問事業所の訪問介護員を中心にした看取りの人材育成を開始した。死と死にゆくプロセスについて講義し,イギリスNHS「リバプールパスウェイ」を用いた医療用語の研修を行った。福祉職が理解しにくい用語について整理した。 4.イギリスとの協働研究を行っており,Drコーリン・パークスとの「グリーフケア」講演会の開催を企画している。また,イギリスNHS認知症ケア政策について,認知症専門CNSと引き続き協議を行う計画にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度研究計画の4つの研究内容のうち、3つは計画を達成した。 ①医療介護連携カンファレンス開催 ②訪問看護師のリバプールパスウェイ・看取りのグリーフケア研修 ③訪問介護員へのニーズ調査を実施し概ね順調に進展していると評価できる。 ④病院看護師の看取りのパスウェイ研修は、昨年イギリスに研修に行った際、NHSではバージョンアップしたパスを作成して臨床においても導入されていた。そのため病院看護師を対象としたリバプールパスウェイの研修は実施せず、日本の既存のパスの検討を行い、NHSでの新しいパスの翻訳を新潟病院副院長中島孝先生と共に行うことにした。平成25年度には病院看護師向けの研修を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
①平成25年度は、フリーフケア・看取りの教育プログラムの開発を行う。 ②イギリスグリーフケアの研究者を招へいし、日本国内のグリーフケア研究者ネットワークを作る。 ③研修前後の看護の質を、STAS-Jを用いて評価する。 ④広島県三原市での地域密着型看取りの連携ガイドラインを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
差引額は、イギリスからの招聘・イギリスでの研究協議に繰り入れ、グリーフケアプログラムの作成準備の為の経費に使用する。
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