研究課題/領域番号 |
24593516
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
藤内 美保 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (60305844)
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研究分担者 |
佐藤 弥生 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (40550900)
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キーワード | 在宅医療 / 訪問看護師 / フィジカルアセスメント / 日常生活行動 / 薬剤投与量の調整 / プロトコール / 医師との連携 |
研究概要 |
本研究は、訪問看護師がフィジカルアセスメントに基づく日常生活行動の判断および薬剤の投与量の調節(医師の事前の指示に基づく)の判断に関するツール開発を目的とする。訪問看護師が判断を行う上で、医師との連携の取り方が重要である。在宅医療における状況を文献レビューした結果、訪問看護に対する医師と訪問看護師の認識の不一致があり、連携体制を明らかにすることを考えた。 平成24年度は研究1を実施した。在宅療養者の身体状態を判断し在宅療養を支える上で医師との連携や判断のためのプロトコールに関する調査を行った。対象は、A県内の過疎地域の訪問看護ステーションの看護師と在宅療養支援診療所医師で、回収数(回収率)は看護師43(53.1%)、医師97名(55.4%)であった。病状変化時の訪問では、呼吸状態の悪化時が多く、訪問看護師が適切な情報収集と判断ができるためのプロトコールを試作した。 平成25年度は、研究1を基に発展させた研究2研究を行い、研究1で試作したプロトコールの活用可能性および有効性、改善案を検討することを目的とし、訪問看護ステーションの管理者4名と在宅療養支援診療・訪問診療をする医師2名を対象とし、半構造化面接を行った。 研究3については、日常生活行動の判断および薬剤の調整に関する研究3を実施した。訪問看護師がフィジカルアセスメントの情報を基にどのように生活行動レベルや薬剤の調整を判断しているのか、判断根拠をどこに見出しているのか、全国調査を行った。対象は、全国の304名の訪問看護師に配布し自記式質問紙の郵送調査とした。心不全の兆候を予測させる事例について、生活行動レベル(清潔、排泄)と薬剤調整(酸素管理、内服薬管理)に関する判断や注目した情報、判断した理由に関する内容とした。回収数111部(回収率36.5%)であった。現在、分析に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は文献レビューおよび研究1として、訪問看護に関する医師との連携に関する実態を調査を行い、プロトコールの試作を行った。平成25年度は、24年度に行った研究1をまとめ、さらに発展的に研究2を実施して、訪問看護に関する医師との連携に関する実態と病状変化時の状態判断のためのプロトコールの活用可能性、有効性、改善策を提案した。研究1および研究2をまとめて、論文を完成させ、学会発表、投稿する予定である。 研究3として、訪問看護師がどのように生活行動レベルや薬剤の調整を判断しているのか、判断根拠をどこに見出しているのか、実態を明らかにし、判断方法の示唆を得ることを目的とし全国調査を行った。対象は、全国の訪問看護ステーション125施設とし、304名の訪問看護師に配布し自記式質問紙の郵送調査とした。現在、分析中で、結果の一部を学会発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、研究1および研究2の論文を完成させ、学会誌に投稿する予定である。また海外への学会発表に申請している。研究3についても結果の一部について、海外の学会に申請中である。国内の看護系学会でも発表を申請する予定である。 平成27年度は研究3の論文作成を行い投稿する予定である。また、研究3の有用性・妥当性について全国調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度、25年度に調査研究を実施した。平成26年度は、共同研究者とともに2つの研究について、海外発表および国内発表を行うため、旅費を確保した。また、最終年度にむけて有効性・妥当性の検証のための全国調査を予定している。 2本の論文を海外で発表(申請中)のための2名の海外旅費、学会参加費等 国内発表も予定しているため、国内旅費、参加費等 全国調査のためのアルバイト等の人件費、調査旅費 等
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