研究課題/領域番号 |
24593520
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小池 純子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (00617467)
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研究分担者 |
稲本 淳子 昭和大学, 医学部, 准教授 (20306997)
針間 博彦 公益財団法人東京都医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (30462782)
半澤 節子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (50325677)
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キーワード | 触法精神障害者 / 触法精神障害者家族 / 医療観察法入院 / 措置入院 |
研究概要 |
今年度は、医療観察法の指定入院医療機関と措置入院の受け入れ医療機関(各1施設づつ)において、患者の実態調査と家族へのアンケート調査を行った。 患者の実態調査について、調査期間中に入院をした対象者は医療観察法入院患者で35名、他害行為を要件として措置入院をした患者は15名であり、そのうちそれぞれ15名ずつの調査が完了した。この30名の結果を単純集計したところ、性別は男性が21名(70.0%)、女性は9名(30.0%)、平均年齢は42.2歳(標準偏差13.7歳)であった。診断名は80%が統合失調症であった。両入院形態患者の特徴として大きく異なったことは、入院の契機となった他害行為はもちろんであるが、医療観察法入院患者において、今回の入院前の触法歴のある者が半数以上に見られたことであった。 家族に対するアンケート調査では、医療観察法入院患者家族5名、措置入院患者家族10名の計15名の回答が得られた。家族の種別は親が大半を占めており、平均年齢は55.5歳(標準偏差11.3歳)であった。現時点の結果では、家族は患者に対して積極的ないしは消極的であるが支援していきたいと考えている場合が最も多く、支援はできないと考えている家族は2名、支援できるかできないかの気持ちが揺れていると回答した家族が2名存在した。また、ほとんどの家族が入院前の患者の精神症状の悪化や行動の変化に気付いて他者に助けを求めており、最も多く助けを求めた先は警察であった。他方で、助けを求めなかった場合の理由としては、どこに相談すればよいかわからなかった、患者を病気だと思っていないことが挙げられた。患者の精神症状があった際に、すぐに専門家が自宅にかけつけてくれることを望んでいる家族が多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が育児休業を取得したことが大きな要因であり、残る研究期間で予定をしている調査に取り組めるようにする。
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今後の研究の推進方策 |
家族に対するアンケートは、家族が患者のことを知られることを恐れたり、何度も調査されることや医療者に回答内容を知られることを懸念し、アンケートへの同意が得られない場合も多い。このため研究の説明を確実に行って同意を得られるようにする必要がある。 これと同時に質問項目数を見直し、家族が回答しやすくするも重要になる。 さらには調査対象機関を増やし、対象者数を増やすことが焦眉の課題であり、即刻取り組んでいくつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が育児休業(2013年11月~2014年6月まで)を取得しており、謝金等、年度内に必要経費の支払いが困難になったものがあった。また、調査が停滞し旅費の必要がなかったため、未使用額が生じた。 昨年度未払い分の謝金等支払いを行う。また、調査を停滞させてしまっていたために生じた旅費の未使用分については、次年度に調査を行う中で必要になる。先内容で未使用分は消費され、次年度分は次年度計画に基づいて使用する予定である。
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