研究課題/領域番号 |
24593521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
田尻 后子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (00369810)
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研究分担者 |
霍 明 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60383098)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換(中国) |
研究概要 |
初年度の計画としては、骨盤底筋群と腹横筋の同時収縮の効果を踏まえた体操の考案と 指導方法の検討である。それに際して、今年度実施したことは、1.体操が円滑に実施できるような媒体の検討。2.介入の開始。3.学会発表の3項目であり、詳細について以下に述べる。 1.体操が円滑にその上、効果的に実施するために体操時の媒体について検討した。一つは体操のDVD作成であり、二つ目は道具(枕・クッションなど)の考案である。体操を分かりやすく、またいつでも視覚的にサポートできる媒体として、DVDを編集し作成した。骨盤底筋群は視覚的に見ることができない筋肉であるため、骨盤底筋群の動きがわかるように3次元CGを作成し、体操時に骨盤底筋群のイメージができるように取り入れた。さらに、映像の編集や音声処理を行い、介入用DVDを完成した。また、道具については仙骨部を支持することで効果的な体操が期待できるため、腰部から臀部に置く道具(枕・クッション)について、形や硬さ、大きさなどを検討しており、現在、試作段階である。 2.中高年女性で尿失禁を呈している者を対象に、初期評価として超音波装置を用いて動作中(安静時・腹横筋収縮時)の腹横筋厚を測定し先行研究でのデータとの比較・評価を行っている。また、継続的(3カ月程度)に体操を実施して、中間評価へとつなげるために、完全に尿失禁体操を対象者独自で実施できるためのバイオフィードバックや徒手抵抗などを用いての指導、ポジションニーングや実施方法、体操時のポイントや諸事項、実施回数、継続期間などについて説明を行い、介入を行っている。 3.学会発表については、今回考案した新しい尿失禁評価方法の妥当性について理学療法科学学術学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度の主な計画は、新たな尿失禁体操(骨盤底筋群+腹横筋)を効果的に勧めるため、対象者が実施し易いように体操・指導方法の考案である。これに関しては、運動(動作)の方法や実施ポイントを視覚的、聴覚的に示し、呼吸に合わせてリズムが取り易く、またバイオフィードバックできるように体操DVDを完成した。また、体操時に使用する道具として枕・クッションの作成を試みている。現時点では試作段階であるが、体操実施時に活用し微調整しながら検討しながら作成している。以上のようにH24年度の計画である尿失禁体操の指導方法の検討、DVDの作成は予定通り進展している。 また、H25年度の主な計画である体操介入の実施であるが、昨年から募集をして、10名程度であるが、尿失禁のアンケート調査、体操指導、超音波装置での腹横筋の筋厚測定など、介入を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は、介入研究が中心となるので、広く研究協力者を呼びかける必要がある。その目的として尿失禁体操だけではなく、この腹横筋を強化する体操は、腰痛緩和にもつながり、また、継続的に無理なく日々運動することは、中高年の肥満の改善、中性脂肪の低下など、身体の健康維持や改善はもとより、身体を動かすことで心理的にも爽快感を得られる。そのような副効果も含めて、体操指導のみに留めるだけでなく、多くの方に広く呼びかけ、第1の目的である尿失禁や健康への認識を高めて体操の介入へと進めて行きたいと考える。 その方法として、広報紙などを通し中高年女性の尿失禁対象者を呼びかけ、1~2週間に一度、この研究計画書通りに体操指導を実施し、経過確認を実施する。その際、自宅でも実施できるように今回作成したDVDなどを配布し、個人で体操を実施しながらも定期的にも対面しながら長期に支援しながら実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
介入に関する費用として、中高年女性の尿失禁対象者を呼びかけ(対象者募集に関わる広告費用)体操指導を実施する場所の確保(施設賃貸費用)し1~2週間に一度、この研究計画書通りに体操指導を実施し、経過確認を実施する。体操指導する場合のパソコン、タブレット類(ipad 等)を利用し動画を用いた指導。また自宅でも実施するためのDVDの作成費と配布に関わる費用、 スタビライザーを背部に用いバイオフィードバックによる視覚的に自己の体操の動きを確認する。体操パンフレットや経過記録用紙、尿失禁アンケートの作成、印刷費用。その他、謝礼、超音波診断装置借用費。 研究結果の報告の場として学会参加費用(理学療法科学学会(中国) ・助産学会(長崎県)また投稿料として活用する。
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