(1)効果的運動方法:女性の尿失禁改善を目的とし、インナーマッスルを用いたより効果的な運動方法を見出すため、以下の抵抗を加えた方法を検討した。健常中年女性(52.9±8歳)11名に7つの運動課題(①安静、②腹横筋の最大収縮、③肛門挙筋の最大収縮、④腹横筋と肛門挙筋の同時最大収縮、⑤④に両膝前面に抵抗を掛けた抵抗運動、⑥⑤に斜め方向の抵抗運動、⑦⑤に側面方向の抵抗運動)を実施し、超音波断層装置を用いて各課題時の腹横筋厚を測定した。結果、安静時に比べ腹横筋と肛門挙筋の同時収縮、および抵抗運動時に有意に腹横筋の増大を認めた。すなわち腹横筋の筋活動は単独筋収縮より両筋同時収縮や抵抗運動時により効果が示され、運動効果に期待できると示唆された。(理学療法科学31( 2) 18th International Meeting of physical Therapy Science pp31 2016) (2)運動指導時の媒体:運動効果は継続して日々実施する必要であるため、自宅でも支援できるようにパンフレットを作成し配布した。その中には今回運動効果が示された抵抗運動ができるようにセラバンドやボールを使う方法も取り入れている。 (3)健康教室:兵庫県姫路市の健康増進教室(2015年10月~12月)や獨協講座(姫路獨協大学が市民の参加を呼びかけた講座:2016年3月)を実施した。その中でインナーマッスルを鍛え尿失禁の改善・予防をするための体操(腹横筋と肛門挙筋の両筋同時収縮運動)を取り入れた。参加者からは指導効果についての反響もみられ、健康維持についての意識が高まった。
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