研究課題/領域番号 |
24593527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
小林 紀明 目白大学, 看護学部, 准教授 (10433666)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | IPE |
研究概要 |
1.IPWに関する先行研究のクリティーク 現段階では、平成23年度の研究論文「日本の保健医療福祉系大学におけるインタープロフェッショナル教育(Inter-Professional Education)の動向」目白大学健康科学研究,第5号によって、IPE対象の背景や実践的な取り組み方法、効果、課題などが明らかになっている。その結果、IPEとIPWを連動させた教育システムの確立は必須であることから、IPWに関する先行研究をクリティークし文献レビューにまとめ、IPEの文献レビューと同様に、IPWの対象の背景や実践的な取り組み方法、効果、課題などの具体的な部分を総合的に明らかにする必要がある。今年度は、IPW・多職種連携・看護職・介護職などのキーワードで文献クリティークした結果をまとめている途中である。 2.看護学科および介護福祉系を専攻する学科の学生のIPEに関する認識の程度を把握するための全国調査について 調査票作成のために予備調査(看護学科および介護福祉学科の学生に対するインタビュー)を計画し、平成24年4月の本学の倫理審査委員会へ申請した。その結果、研究者が所属する学生へのインタビューは、成績に関係するなどバイアスがかかることを指摘され、インタビューによる調査を実施可能な期間〔夏休み前まで〕に承認を得ることができず実施できなかった。その為、先行研究を基に独自の調査票を作成し倫理審査委員会に再申請し承認されたが、調査を依頼・実施する時期が調査対象の大学生が調査できる期間ではなかった(大学の単位認定試験期間と重なる)ため、調査票のほかに依頼文・承諾書などの書類作成までを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度の研究目的の1つは、IPWに関する先行研究のクリティークであった。自身の平成23年度の研究論文「日本の保健医療福祉系大学におけるインタープロフェッショナル教育(Inter-Professional Education)の動向」の結果から、IPEとIPW(Inter-Professional Work:専門職連携)は切り離せない関係にあることから、大学における基礎教育でのIPEの取組みが、実践現場におけるIPWとどのようにリンクしているのかという現状と、リンクさせるための今後の課題とは何かを、研究的に明らかにする必要があった。そのためのIPWに関する先行研究をクリティークし、IPWの対象との背景や実践的な取り組み方法、効果、課題などの具体的な部分をまとめた。平成25年度は、学会に発表するか、論文にまとめ、本学の紀要に投稿する予定である。よって、この計画についてはほぼ達成できたと考える。 もう一つの研究目的は、看護学科および介護福祉系を専攻する学科の学生のIPEに関する認識の程度を把握するための全国調査実施であった。しかし、【研究実績の概要】でも述べたように、調査項目を精選するために看護学科および介護福祉学科の学生に対するインタビューを計画し、平成24年4月の本学の倫理審査委員会へ申請したが、研究者が所属する学生へのインタビューは、成績に関係するなどバイアスがかかることを指摘され、承認されなかった。結果的に、先行研究を基に独自の調査票を作成し倫理審査委員会に再申請し承認された(12月)が、調査を依頼・実施する時期が単位認定試験期間と重なるため、本年度(24年度)内に実施することができず、計画の遂行がかなり遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
①「看護学科および介護福祉系を専攻する学科の学生のIPEに関する認識」を全国調査する。研究対象:全国の国公立・私立大学の保健医療福祉系大学の中から、看護系学部学科および介護福祉系学部学科の学生(全学年)を対象とする。調査方法:1)調査依頼する大学・学部の抽出方法;『平成24年度版全国大学一覧』を用いて、看護系学部学科および介護福祉系学部学科を設置している大学を選出する。2)調査依頼方法;各学部長宛に調査依頼を書面で行った後、調査協力が得られた大学に対して、実施可能な学年を選定し、その学生数分の調査票を郵送する。3)回収方法;調査票と回答用紙は別にし、郵送法によって回答用紙のみ回収する。 ②「全国の保健福祉医療系大学(特に看護系と介護福祉系)における教育カリキュラムの構成や内容についての実態調査」を行う。この調査も、前述の全国調査と並行して実施いたいと考えている。研究対象:全国の保健医療福祉系(多職種の専門職育成を有する)大学の当該学部長・学科長または、カリキュラム担当の専任教員(当該学科の教務委員等)を対象とする。調査方法:1)調査依頼する大学・学部の抽出方法;『平成24年度版全国大学一覧』を用いて、看護系学部学科および介護福祉系学部学科を設置している大学を選出する。2)調査依頼方法;各学部長宛に調査依頼を書面で行った後、調査協力が得られた大学に対して、その大学のカリキュラム内容について解答いただける方を選出していただき、調査票を郵送する。 それぞれの調査によって得られたデータは、次の方法で分析する。 ①:(1)認識に関する項目の因子分析、(2)学年間の認識の差の比較(マンホイットニーのU検定等)、他。②:IPEに関するカリキュラム内容やカリキュラム評価方法、IPWに関連する教育内容などの単純集計結果を基に、国内外(特に英国)の文献と比較を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
看護学科および介護福祉系を専攻する学科の学生のIPEに関する認識の全国調査は、30%の回収率と想定した場合60大学が調査協力を得られると仮定し、一大学あたり300名の学生を調査対象と考え、調査票は予備も含め合計約20,000部の調査票と回答用紙(マークシート用紙)の準備が必要となる。調査票約4ページ(1ページ14円×4=56円)と回答用紙をマークシート用紙(単価10円)で合計132万円が必要。 全国の保健福祉医療系大学(特に看護系と介護福祉系)における教育カリキュラムの構成や内容についての実態調査は、330大学をサンプリングする。調査票約5ページ(1ページ14円×5=70円)、回答用紙をマークシート用紙(単価10円)で、1施設に1部を郵送するので、合計約2万7千円。自由回答入力を3問入れた場合は、回収率を75%(75大学)、1文字1円として1問200文字×3問で約4万5千円。総計で7万2千円が必要。 上記のほかに、2つの全国調査に対して、それぞれ、封筒代@:10円×530大学×2回分=10,600円、依頼状・調査票印刷用紙:@3円×530大学×2回分=3,180円、調査依頼用紙郵送費:@80円×530大学=42,400円、調査用紙及びマークシート用紙発送実費:@1,000円×530大学=53万円、アンケート回収用エクスパック代:@500円×160大学=8万円。アンケート発送・回収作業費・マークシート読み取り作業費・データ集計・解析作業費・データ管理費の総計で約200万円。総計で267万円。 以上の研究に必要な費用を合計すると、総計で約400万円必要となる。
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