大学での基礎教育課程における看護と介護福祉のIPEは、IPWへの準備性として必要不可欠であると考える。しかし、実際にIPEプログラムを構築し実践している大学は少なく、学内あるいは他大学との協働も含め、未構築の状況にある大学の方が多数を占める。本研究では、看護職と介護福祉職の連携についてそれらに関連する大学の学生がどのように認識しているのかを把握し、大学のIPEに必要な課題について明らかにするため、「看護系大学生と介護福祉系大学生の『看護職と介護福祉職の連携』に関する認識」というテーマで、全国調査を実施した。対象は平成25年度全国看護・医療・福祉系大学・短大・専門学校受験年鑑に掲載されている全国の看護系大学ならびに介護福祉系大学に対して文章で研究の趣旨を説明し協力可否の回答を依頼した。そのうち98大学102学科から回答があり、35大学36学科(看護系大学26学科、介護福祉系大学10学科)から参加協力を得た。各協力校の協力可能な学生総数5896人分の調査票を発送し、個別に郵送で回答を得た。本学の倫理審査委員会の承認を得て実施した。 回収数は1301(回収率:22.2%)、有効回答数1271(有効回答率:97.6%)であった。男性171(13.5%)女性1100(86.5%)、平均年齢20.3歳±3.13、看護系学部学科876(68.9%)介護福祉系学部学科395(31.1%)であった。看護職と介護福祉職の連携に関する認識調査の結果は、「看護職と介護福祉職の連携は大切である」の平均点が4.69±0.54で最も高く、「看護職と介護福祉職の連携の場や機会が不足している(逆連項目)」が2.58±0.88で最も低かった。また看護大学生の方が、互いに知識や技術を共有し共に学ぶ必要性を認識していた。
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