研究課題/領域番号 |
24593532
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
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研究分担者 |
吉田 令子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00305343)
遠山 寛子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10433989)
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キーワード | 退院支援 / 認知症 / 家族 / ケーススタディリサーチ |
研究概要 |
倫理審査委員会の承認を得たうえで、平成24年度に検討した研究プロトコールに従い、研究を開始した。平成25年度は1病院をフィールドとし、急性期病院における認知症高齢者の退院支援プロセスとその文脈を明らかにするために、インタビュー調査を行った。対象者は、多様な専門病棟で働く、認知症高齢者のケア経験のある看護師8名であった。8名の所属は、入退院支援室2名、消化器内科、血液内科、循環器内科、整形外科、婦人科外科の各専門病棟1名であった。各人に対し、約1時間1回のインタビューを行った。インタビューデータは現在質的に分析中であるが、大きく次のようなことが明らかになっている。急性期病院では認知症高齢者の入院は緊急であることが多い。化学療法や外科手術等の治療開始や中止・継続に関する意思決定支援に難しさがある。手術など明確な治療目的で計画的に入院してくる場合には家族の入院治療への意向も強く、協力も得られやすい。そのため退院支援が比較的容易であることが多い。緊急入院しくるケースは、一人暮らしであったり、高齢者世帯であったりすることが多く、退院先を調整することに苦慮する場合が多い。入院治療に難しさが伴うことがあらかじめ想定されるケースについては、外来治療で対応することも少なくない。これらの分析概要を元に、さらに詳細な分析を進めている最中である。来年度は、2つ目のケースとなる急性期病院においてインタビュー調査を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は1急性期病院での研究をスタートすることができ、予定の対象者数からデータ収集を行うことができたが、データ分析に時間を要してしまったことが研究の進捗が若干遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、25年度に収集したデータの詳細分析を終わらせる。その結果を、学会にて発表する。 また、2つ目の急性期病院をフィールドとし、本年度と同様に多様な専門病棟および退院支援部門に所属し、認知症高齢者のケアに経験を持つ看護師10名を目途に、インタビュー調査を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集開始および分析の進捗に若干の遅れが生じていること、またそのために当初予定していた学会発表や論文投稿に至れていないことから研究費の使用にも遅れが生じている。 平成26年度は学会発表を予定しており、旅費・研修費が必要となる。 在宅医療を先進的に行っている海外の例を視察することを計画する。 さらに、研究の遅れを取り戻すために、資料整理などを目的に研究補助者を依頼することを予定する。
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