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2013 年度 実施状況報告書

入院高齢者の夜間の排泄と睡眠状態の解析による転倒リスク軽減へのストラテジー

研究課題

研究課題/領域番号 24593539
研究機関帝京科学大学

研究代表者

泉 キヨ子  帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207)

研究分担者 岡本 紀子  筑波大学, 医学医療系, 助教 (40624664)
高田 大輔  帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (90634155)
平松 知子  金沢大学, 保健学系, 准教授 (70228815)
正源寺 美穂  金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
キーワード転倒 / 頻尿 / 睡眠 / 排尿 / 睡眠薬 / 夜間
研究概要

本研究は入院高齢者の夜間の転倒を減少する方略をさぐるために,夜間の頻尿の実態や排泄行動と睡眠状態について,個別性や多様性をだしながら,客観的に測定・分析して,相互に関連づけることを目的とした3年間にわたるものである。
本年度は2年目であり,①昨年施行した3病院における転倒調査の分析をした。さらに,②夜間の転倒を減少する方略を探るために,夜間頻尿のある高齢者の夜間頻尿の実態と睡眠状態について眠りSCANと排尿量・残尿測定には「ゆりりん」を用いて客観的に測定した。その結果,①については,3病院の転倒件数は751件であり,これを分析対象とした。日中(6時から20時)は488件(65%)であり,夜間(21-5時)は263件(35%)であった。夜間の転倒者は日中に比べて,睡眠薬と下剤・緩下剤の服用者が多かった(p<.5)。転倒が最も多い時間帯は5時台49件(18%)であった。排泄と睡眠に関連した転倒は日中より夜間に多かった(p<.001)。一方,移動や物をとろうとしての転倒は日中に多く見られた(p<.05)。転倒者の排泄状況はおむつ使用が60%を占め,排泄時の移動手段は一部介助が約50%を占めていた。排泄方法は日中と夜間で変化し,排泄場所は日中はトイレが多いが夜間はポーブルトイレが多くなった。②については,4例を実施した。1例を分析した結果,夜間頻尿(4-5回),1回尿量85.3ml,残尿量約20ml,寝つき時間平均54分,夜間覚醒回数7.3回であった。
以上から,実態調査から,夜間の転倒に影響する要因として,排泄や睡眠薬は重要であり,客観的測定から頻尿のある高齢者は夜間の覚醒が多いことが明らかになり,転倒との関連が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

概ね計画どおりであるが,夜間頻尿のある患者の例数が少ない。夜間の排尿測定は熟練した看護師の協力が必要であり,現在は協力病院3施設のうち,1施設(急性期病院)の協力者しかできない。研究分担者(正源寺美穂)の協力で行っているが,難しい現状である。
また,排尿に伴う動作パターンは研究協力が得にくい(転倒場面をビデオ撮影など)現状にある。

今後の研究の推進方策

振り返りの調査であるが,その1.で施行した3病院の転倒データの詳細な解析は睡眠薬を分析するにも重要と考えている。とくに石川県済生会病院は丁寧なデータであり,さまざまに活用したいと考える。
その2である眠りSCANを用いた睡眠状態と頻尿の前向き調査はデータ数は少ないが,確実性があるので,この状態で進めたいと考えている。
夜間の排尿動作パターンは撮影などは倫理的配慮から現状ではできにくい(病院の反応)ので,再度,文献検索などから検討したいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

夜間の転倒を減少する方略を探るために,夜間頻尿のある高齢者の排尿量の実態と睡眠状態について眠りSCANと排尿量や残尿測定には「ゆりりん」を用いて客観的に測定している。しかし,実施している小松市民病院での夜間頻尿高齢者で睡眠状態を測定できる該当者が少なく,いまだ4例しか測定できていない。この病院の看護師は排尿量や残尿測定には客観性のあるデーター収集に優れているので,この病院での測定が重要と考えている。
今年度はここでの例数を増やしたいと考えている。また他の病院での測定には看護師の排尿測定技術の問題もあり,研究者もそこで付き添って夜間測定ができにくいので,今年度も継続して行いたいと考えている。
1)夜間頻尿のある高齢者の1回排尿量,1日尿量,夜間尿量(睡眠中の尿量),残尿量(ゆりりん(ユリケアkk)にて測定)を中心に排尿日誌を3日間測定する。それらから,排尿障害のタイプ、頻尿の種類,残尿測定などから専門家も入れてその 原因を探る。
2)上記の高齢者の睡眠状態を眠りSCAN(パナマウントベッド)を用いて,睡眠と覚醒 リズム,入眠時間,睡眠時間,覚醒回数などを測定し,その間の睡眠薬の使用の有無 や種類を把握する。測定後の高齢者について日中および夜間の転倒について前向き調 査する。出てきたデータをもとに研究者間,さらに専門家などを交えた検討会を企画 し,討議し,今後の介入方法へつなげる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 脳卒中患者の移乗時「見守り解除」における看護師の臨床判断―中堅看護師を対象としたフォーカス・グループ・インタビューを通してー2013

    • 著者名/発表者名
      高柳智子,泉キヨ子
    • 雑誌名

      日本看護研究学会雑誌

      巻: 36(2) ページ: 69-77

    • 査読あり
  • [学会発表] 一急性期病院の転倒報告から見た緩和ケア病棟、回復期リハビリ病棟、内科・外科病棟における転倒状況2013

    • 著者名/発表者名
      203) 松本智里、正源寺美穂、平松知子、高田大輔、泉キヨ子
    • 学会等名
      第33回日本看護科学学会学術集会講演集
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20131206-20131207

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公開日: 2015-05-28  

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