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2014 年度 実績報告書

高齢者福祉施設における肺炎球菌保菌と莢膜型の分子疫学解析~高齢者肺炎予防に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 24593541
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

石原 由華  椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (30369607)

研究分担者 太田 美智男  椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (20111841)
佐藤 晶子  椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (20593510)
社本 生衣  椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (40593512)
宇佐美 久枝  椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (80587006)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード肺炎球菌 / lytA遺伝子 / 莢膜型 / 23価肺炎球菌ワクチン / 混合増菌培養 / PCR
研究実績の概要

2011~2013年に人口210万人規模の市において、市内在住の本研究の趣旨の理解と同意が得られた40~85歳の健常者(本人が自覚する疾患を有さない者)110名を対象とした。被験者の咽頭ぬぐい液から肺炎球菌を分離培養せず、そのまま短時間混合増菌培養後DNAを抽出し、肺炎球菌に特異的な遺伝子(自己融解遺伝子)であるlytAをPCRで検出した。lytAが陽性の場合を保菌者とした。2011年は、被験者36名中11名(30.6%)、2012年は39名中10名(25.6%)、2013年は35名中15名(42.9%)がlytA陽性で肺炎球菌を保菌していた(被験者の重複はない)。また、PCRにより23価肺炎球菌ワクチンに含まれる莢膜型に特異的なプライマーを用いて、lytA陽性者36名に関して28名の莢膜型を決定することができた。23価肺炎球菌ワクチンに含まれる莢膜型菌の保菌率は77.8%であった。しかし、lytA陽性者8名が23価肺炎球菌ワクチンに含まれない莢膜型菌を保菌していることが示唆された。
さらに、全被験者10名のうち過去5年以内に23価肺炎球菌ワクチンを接種していたのは20名で18.2%であった。lytA陽性者36名の中で接種していたのは5名であり、そのうち4名が保菌している肺炎球菌の莢膜型がワクチンに含まれている型であった。残りの1名はワクチンに含まれない莢膜型であった。
今回、我々が改良した混合増菌培養からのPCR検出法による成人健常者の肺炎球菌保菌率は32.7%であり、従来の分離培養法による保菌率より数倍高いことから、混合増菌培養からのPCR検出法は分離培養法に比べて検出感度が高いことが示唆された。また個人の熟練に依存せず、検出に要する時間も分離培養法に比べて短時間であった。今回の方法の普及により健常者の肺炎球菌保菌率は、より実情を反映する値になることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 改良PCR法を用いた健常成人の肺炎球菌保菌検出と莢膜型同定2015

    • 著者名/発表者名
      石原由華、岡本陽、太田美智男
    • 雑誌名

      感染症学雑誌

      巻: 89 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 咽頭ぬぐい液からPCRによる肺炎球菌検出および莢膜型決定法の検討2014

    • 著者名/発表者名
      石原由華、太田美智男
    • 学会等名
      第88回日本感染症学会学総会・術講演会
    • 発表場所
      ヒルトン福岡シーホーク
    • 年月日
      2014-06-18 – 2014-06-20

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公開日: 2016-06-01  

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