研究課題/領域番号 |
24593542
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研究機関 | 四日市看護医療大学 |
研究代表者 |
小松 美砂 四日市看護医療大学, 看護学部, 准教授 (00362335)
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研究分担者 |
濱畑 章子 朝日大学, その他部局等, 教授 (20238075)
佐藤 光年 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (80551233)
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キーワード | リロケーション / 高齢者 / 回復期リハビリテーション病棟 |
研究概要 |
本研究の目的は、研究代表者らが考案した概念モデルより「高齢者施設へのリロケーション(移転)を支援するためのアセスメントシート」を作成し、回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期病棟)に移転した高齢者に適用することである。 平成24年度は「高齢者施設へのリロケーションを支援するためのアセスメントシート」を、回復期病棟へのリロケーションに適用するため、研究分担者と共に質問項目等、内容について再検討の上、アセスメントシートを完成し、倫理委員会より調査実施の許可を得た。 平成25年度は研究参加の同意を得られた7病院の回復期病棟において、入院・転入後約2週間の高齢者を対象に、留置法にて調査を実施し、全体で371のアセスメントシートを回収した。また、有効回答336人のアセスメントシートについて集計・分析を行った。 分析の結果、回復期病棟にリロケーションした高齢者の適応には特徴があり、特に認知症の有無による適応傾向の違いが明らかになった。生じた不適応症状の具体的内容も明確化したため、これらの結果を回復期病棟にリロケーションする高齢者への看護につなげていくことが今後の課題である。 また、アセスメントシートへの記入は担当看護師に依頼し、看護師にもアンケート調査を行ったため、その結果も含めてアセスメントシートの項目・内容を精選した。その結果、アセスメントシートの有用性や今後の課題がさらに明らかになったため、平成26年度の活動につなげていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画していたアセスメントシートを用いた本調査の実施と結果の集計はすべて終了し、分析もおおむね終了している。アセスメントシートの利便性・有用性等についても検討を進めているため、研究目的に対する本年度までの計画はおおむね順調に達成できていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査結果の分析をさらに深め、回復期病棟へのリロケーションにおける高齢者の特徴をより明確化し、アセスメントシートとしての精度を高めていく。また、研究成果を集約し、回復期病棟における高齢者のリロケーションの特徴をふまえ、「高齢者の回復期リハビリテーション病棟へのリロケーションを支援するアセスメントツール」として完成させる。また、このツールを具体的に活用できるよう、成果報告書等を作成するとともに、学会発表・論文作成により発信していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の「旅費」において、米国への渡航人数の変更により助成額と実支出額との差が生じた。また、「その他」の印刷費・複写費等も実支出額が少ない状況である。そのため平成25年度に調査票のデータ処理業務として謝金等に一部を用いたが、次年度使用額が生じている。 平成26年度は研究成果の発表を目的に、国内・海外の学会に参加するための「旅費」として、次年度使用額を用いる予定である。また、翌年度分として請求した助成金も合わせて、英語論文作成のための翻訳料、報告書の印刷など、「その他」の項目についても助成金の使用を計画している。
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