研究課題/領域番号 |
24593543
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
家根 明子 京都橘大学, 看護学部, 助教 (70413193)
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研究分担者 |
西田 厚子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10324568)
小野塚 元子 京都橘大学, 看護学部, 助教 (30449508)
北村 隆子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10182841)
藤原 奈緒 京都橘大学, 看護学部, 助教 (50610515)
南 朗子 京都橘大学, 看護学部, 助手 (20637392)
深山 つかさ 京都橘大学, 看護学部, 助教 (70582865)
鈴木 久義 京都橘大学, 看護学部, 助手 (10638167)
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キーワード | 初老期認知症 / 地域包括支援センター / サポートモデル / 認知症カフェ / 専門職 |
研究概要 |
2013年度(平成25年度)は研究開始から2年目であり,初老期認知症者とその家族を支援する地域包括支援センター職員に焦点をあて,関連する文献や既存資料について昨年度に引き続き取集を行い,研究分担者らと検討を行った. また,研究分担者と海外における認知症ケアの動向把握,初老期認知症者とその家族や専門職を対象にした研究データの取集と分析を行った.具体的内容は以下の通りである. (1)海外での認知症ケアの実態を把握することを目的に,地域での先進的取り組みを行うスウェーデンハルムスタッド市に焦点をあて,研究分担者や老年看護学および在宅看護学教員とともに視察を行った.現地では,行政およびサービス提供機関担当者等との意見交換を行っている.また,国内での認知症ケアの実態把握の一環として,地域での認知症カフェの実施状況把握を兼ねて,他のカフェを視察した.(2)地域包括支援センター職員が抱える認知症困難事例を持ち寄り,認知症疾患医療センターの医師の助言を得て検討する場として定期的に開催されている「認知症ケアネットワーク」に昨年度から引き続き,研究分担者とともに参加(3回)し,地域における地域包括支援センターでの支援実態の把握に努めた.(3)2012年12月から関わった「レモンカフェ(初期認知症者とその家族を対象として居場所と相談機能を併せ持つメモリーカフェ)」に研究分担者らとボランティアとして携わり,ミーティングを通して参加者の実態・専門職の課題把握とそれらの整理に努めた. 併せて,これらからサポート・モデル案を考えた.(4)認知症と家族の会が主催する「若年認知症のつどい」にサポーターとして4回参加し,継続的に参加観察を行い,家族が抱える課題とサポーターとして参加する専門職の関わりや課題をまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度の達成状況は,以下の通りである. (1)2012年度に引き続き,「認知症ケアネットワーク」,「レモンカフェ」,「若年認知症のつどい」に研究分担者とともに参加することで,初老期認知症者とその家族の現状と課題や専門職の支援についてのデータ取集と逐語録ができて,分析基盤を整えることができた. (2) 「レモンカフェ」に研究分担者らとボランティアとして携わり,ミーティングを通して聴き取った参加者の実態・専門職の課題把握を逐語録にまとめ,分析材料を整理した. (3)サポート・モデル案を考えたが,具体的な介入には行政側の制約もあり,少し停滞した.このため介入対象を変更・拡大して対応することも検討している.しかし,様々な当事者・家族・専門職と築いてきた関係性をもとに,研究遂行のために協力を得ることは可能である. よって,研究はおおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2年間かけて構築した対象者との良好な関係や収集した資料・データを基礎に,2014年度は以下のように研究を推進する. (1)2013年度に引き続き,「レモンカフェ」,「認知症ケアネットワーク」,「若年認知症のつどい」に研究分担者らと参加し,初老期認知症者とその家族の現状および課題,専門職の支援課題から分析した必要な支援について,さらに検討を加えて総括を行う.(2)併せて,2013年度に取集した地域包括支援センターおよび居宅介護支援専門員の,初老期認知症者への支援に関するデータ整理と分析を順次進め,総括を行う.(3)サポート・モデル案の具体的介入は2013年度に若干停滞したため,介入対象の変更・拡大も視野に入れた上で,認知症カフェや家族のつどいの場面にて用いることにより検討を進める.(4)2013年度に行った視察に加え,スウェーデンをはじめとした認知症ケアに関する先進的取り組みを行う国と日本との認知症ケアの比較検討を進め,日本における支援のあり方や展望をまとめる. 以上,分析や総括を行うために,研究会の持ち方などについて修正を加えながら,研究を遂行する予定である. また,2013年度における研究成果をまとめ,学会等で報告を行う予定である.
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