研究課題/領域番号 |
24593545
|
研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
松尾 善美 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90411884)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 呼気筋トレーニング / 要介護認定者 / 在宅トレーニング / 嚥下機能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、在宅虚弱高齢者に対する呼気筋トレーニングプログラムを開発し、呼吸機能の改善を通じた肺合併症の予防および嚥下機能の改善に資することであり、4カ年での研究を実施している。その目的に従い、初年度にはMRIを用いた研究において、健常者では最高呼気筋力の50%まで呼気負荷圧が増すと形態学的に舌は安静時より縮小し、より強い舌筋の収縮が得られる結果を得た。次年度には、表面筋電図を用いた研究において、呼気抵抗負荷トレーニング(expiratory muscle training:EMT)は座位が自立していない在宅療養患者にも適用可能であり、呼気圧負荷は強いほど舌骨上筋の活動を賦活するが患者のアドヒアランスを考慮することが必要であるとの結果を得た。これまでの2カ年の研究結果を踏まえ、座位形態は特定しないなんらかの座位姿勢(端坐位、30°から75°後方傾斜坐位)で、呼気圧負荷強度を在宅療養患者が4週間に毎日30分間(15分間を2回/日)継続できると想定した最高呼気筋力の30%と決定した。 そこで、今年度以降は徳島県に在住し、介護保険サービス利用中の要介護認定者で本研究の主旨を説明し、同意の得られた症例を対象として、4週間在宅でのEMTを実施し、嚥下機能に及ぼす効果について介入前後での反復唾液嚥下テスト、舌圧、口唇閉鎖力、呼吸機能検査、呼吸筋力、ADL(バーセル・インデックス)のデータを取得している。なお、介入期には最高呼吸筋力を毎週測定し、負荷圧を再調整した。中間解析の結果では、EMT介入前後で呼気筋力、吸気筋力、最高呼気流速、咳嗽時最大呼気流速は改善傾向にあった。反復唾液嚥下テストには介入前後で改善する症例もあるが、変化を示さない症例も存在していた。来年度も研究を継続し、症例を増やして、分析し、最終結果を得る予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究は進行しているが、研究対象者数が予定より少なくなる見込みである。また、対象者の協力を継続して得難い理由により、クロスオーバー試験の実施が困難となる可能性が高い。
|
今後の研究の推進方策 |
研究の対象者数を増やし、最終結果を得る予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
必要物品が予定より少なくて済んだこと、および世界理学療法連盟学会が2015年5月に開催予定であり、その旅費の一部を前年度に計上しなければ旅費の支出ができないことによる支出計画変更のため
|
次年度使用額の使用計画 |
予想される物品費が当初計画よりも研究実施上必要になるため
|