研究課題
近年,高齢者の精神保健への関心が高まっている.一次予防の観点から大規模地域サンプルを対象としたスクリーニング調査が必要であり,かつ,脱落者や回答困難者を可能な限り減らすことが重要である.このためには,簡便であり,かつ他者評価が可能な測定ツールのニーズや利便性は非常に高いと考えられる.以上を踏まえ,本研究では高齢者用の「他者評価による精神的健康尺度」の開発を目的としている.平成24年度から25年度にかけて,項目プールの作成および予備的選択を目的に,既存の精神的健康尺度で使用されている調査項目の収集,および他者評価尺度の作成手順に関する情報の収集を中心的に行った.収集された項目において予備的選択,および適切な選択肢の検討を行っている.一部の検査については,調査フィールドで自己評価法による精神的健康尺度(WHO-5-J,GDS)を中心とした面接調査を行い,データを収集した.また,地域高齢者を対象とした研究成果の一部を学術誌,および学会で発表した.
3: やや遅れている
当初計画では,予備調査を実施する予定だったが,項目プールの作成をするに留まった.
上記の手続きによって収集された項目プールにおいて,健常高齢者ならびに認知症高齢者を対象とした予備調査を実施し,高齢者本人および家族等の親しい他者の両者を対象にデータを収集する.調査票は,前年度収拾された項目,デモグラフィック情報等から構成される.本研究が開発を目指すのは他者評価による尺度なので,親しい他者の回答(他者評価)に関して,高齢者本人の回答(自己評価)を主な外的基準にし,統計的に信頼性,妥当性の高い項目を選択し,尺度を完成する.
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