今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進については以下のように予定している. (1)インターネットにおける有害表現の調査:引き続きブログおよびSNSに記述される書き込みの収集を進めながら,人手による有害表現の調査(有害表現の範囲・種別・出現頻度・共起する語句など)の調査を行う.さらに,調査結果に基づいて有害表現の客観的定義を試みる.調査では統計学的考察を加えて有害表現の客観的定義に利用する.本活動は桝井が中心となり進める. (2)有害表現コーパスの構築(評価用基礎データの作成):引き続きデータ収集を実施し,蓄積データに対して有害表現の範囲,種別,判断基準などを示すタグ付けを行う.本活動は木村と桝井が中心となり進める. (3)有害表現と連関する世評表現,感情情報,倫理判断の調査:上記で得られるコーパスを利用して有害表現と連関する世評表現・感情表現・倫理判断についての知見を得る.世評が有害性判断に与える影響,有害表現に含まれる感情情報やそれと共起する感情情報の特性を分析する.本活動はRzepkaと桝井が中心となり進める. (4)感情情報に基づく有害極性判定メソッドの設計と実装:書き込みデータ中に出現する感情情報の調査を継続しつつ,感情情報に基づいた有害極性判定メソッドを設計・実装する.本メソッドはGENTAプロジェクトの感情解析エンジンを応用する.この作業はRzepkaが主となって進める. (5)倫理判断に基づく有害極性判定メソッドの設計と実装:書き込みデータ中に出現する倫理関係の調査を継続しつつ,倫理判断に基づいた有害極性判定メソッドを設計・実装する.本メソッドはGENTAプロジェクトの常識解析エンジンを応用する.この作業はRzepkaが主となって進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は以下のように使用する予定である. (1)今年度実施予定であった有害表現コーパスの構築を次年度に実施するため,これに伴いデータ収集作業およびコーパス構築の作業が発生する.この作業には北見工業大学の大学院生および学部生計10名程度を作業補助者として雇用する予定である.そこで,本年度コーパス構築作業への謝金として計上した研究費を繰り越して450,000円(1,000円/時×4時/日×10日×10人)を使用する.また,(2)あるいは(4)が不足すると予想されるため一部を(2)に充当する予定である. (2)世評情報・感情情報・倫理判断に基づく各有害極性判定メソッドの設計・実装においては,北見工業大学・北海道大学の大学院生および学部生数名を作業補助として雇用する予定であるため,謝金として200,000円(1,000円/時×2時/日×20日×5人)を新たに計上する. (3)収集したデータの保存と解析および構築した有害表現コーパスの利用のために用いる処理用計算機環境を確保するために設備費250,000円(高速処理計算機:150,000円,補助記憶装置:50,000円,周辺環境備品:50,000円)を新たに計上する. (4)研究打合せおよび成果発表に伴い,国内・海外への旅費が必要となる.そこで旅費として750,000円(35,000円/人×1人×2回,170,000円/人×2人×2回)を新たに計上する. (5)別刷り代等に適用するために100,000円をその他として新たに計上する.
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