研究課題/領域番号 |
24600004
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田中 英登 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60163557)
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キーワード | 熱中症 / スポーツ活動 / 子ども / 暑熱順化 / 生活習慣 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究調査は子どものスポーツ活動時の熱中症予防のために、どのような時間帯にスポーツを行うべきか?また、どのような生活習慣を持つことが熱中症リスク低減させるのかを明らかにすることを目的として計画され、25年度の実施状況は以下のようである。 先ず、昨年度に引き続き夏季子どものスポーツ活動時間帯に関する調査を継続して行った。特に今年度は少年サッカーや少年野球の団体指導者を対象として、関東圏、九州沖縄地域を中心に調査した。その結果は、昨年各地域の小学校に依頼し、小学生を中心に実施した子どもへの調査結果と同様に関東地域と九州・沖縄地域間の差はあまり認められなかったが、サッカーと野球の種目特性により違いがみられる傾向を明らかにした。現在、台湾の少年サッカーや少年野球の指導者に対して同様の調査を実施する計画中である。 生活習慣からみた熱中症予防リスクの低減を検討するために、温熱負荷時の発汗反応に及ぼす季節変化と生活習慣との関係性に関する調査の室内実験を実施した。大学生の調査から、日常の運動習慣が夏季の発汗機能の亢進に強く影響を及ぼしており、かつ非運動習慣者においては日常の冷房の嗜好性が影響する傾向を示した。このことについては、すでに25年度内に雑誌「発汗学」に一部データを掲載した。 以上の実績状況をもとに、25年度末(2月)よりこれらのデーター数を増加させより明らかにすること、小学生(高学年)を中心に、運動習慣による発汗機能の季節変化が大学生の結果と同様なのかを調査は始めており、この夏の9月には室内実験はすべて終了する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では子どもの発汗機能に関する調査を25年度内に実施終了予定であったが、大学生を対象とした調査が延びてしまったため、25年度内に終了できなかった。すでに26年2月より子どもの調査はスタートしているため、予定より半年遅れの26年9月にはすべての実験が終了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は研究の最終年度となる。研究実績の概要でも記述したように、次の2つの項目について実施する。 (1)台湾における少年スポーツクラブ(主にサッカー、野球)の指導者に対する活動時間帯の調査を行い、日本との比較を行う。すでに、小学生個別の調査では、日本国内よりも台湾で小学生のほうが、スポーツや外遊びの時間帯について、なるべく気温が高い昼間の時間帯には実施しない傾向を示したので、同様の傾向がみられるのか明らかにする。もし、予想された結果となった場合は、国内のスポーツ活動に関する熱中症予防のための時間に対する配慮について、示したい。 (2)子どもの生活習慣と発汗機能の変化について、すでに春の測定は済んでおり、8,9月の調査を実施し、子供の熱中症予防としてどのような生活習慣を持つべきか明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度の調査報告のための旅費や被験者への謝金などが予定より実施が遅れ少なかったため、26年度に残された。 26年度に25年度に計画していた謝金や旅費の使用が予定されている。
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