平成26年度は、まず、平成25年度までに開発したシステムに改良を加え、次の(1)と(2)のシステムを開発した。 (1)コミュニケーション時に訓練者(あるいは相手)の表情をリアルタイムに分析するシステム。 (2)コミュニケーション時に表情の同調を意識した表情筋トレーニングシステム。(2-1)発達障害児者が表情の同調トレーニングを行う際に、顔面筋を計測しながら、定型発達児者が動かす表情筋の部分と差異がある部分を、顔面上に貼り付けた振動子によって振動を与えることでバイオフィードバックを行い、どこの表情筋を動かして表情を表出させるかを教示する。(2-2)画面上に自分の表情を写しながら、顔面筋を自分で動かして、目標表情に合わせるように表情をつくるよう促す。 続いて、上記のシステムを発達障害児に実際に利用してもらうことで評価を進めた。被験者・保護者・専門家・支援者と事例検討会においても、発達障害児の認知・生理機能の特徴に基づく支援として、発達障害児の苦手な部分を強化するための効果があるかを検討し、今後必要となる要素技術について検討を行った。また、表情トレーニング時における表情筋活動の様子についても、サーモグラフィーを用いた分析を行った。
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