研究課題/領域番号 |
24600007
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
粟原 知子 福井大学, 教育地域科学部, 助教 (80608753)
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研究分担者 |
熊澤 栄二 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30321425)
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キーワード | 子どもの遊び / 小学生 / 手描き地図 / イメージマップ / まちづくり / 地域 |
研究概要 |
本研究は、子どもが「遊び」によってどのように地域やまち・空間を理解するのかを、小学生のイメージマップ(手描き地図)の質から明らかにし、子どもにやさしいまちづくり・地域計画に活かすことを目的としている。 申請者は、これまでに地方都市部の小学生の遊びを10年以上にわたり調査・研究し、調査対象町内での1.生活環境の違いによって遊び傾向が異なる点、2.10年間で遊びの質が変化した点、3.年齢が上がるにつれてイメージマップにみられる「まちの要素」が増加し、理解が深まる点を確認した。よって本研究では、①遊びの傾向とイメージマップの質の相関関係を明らかにし、子ども目線にたったまちづくりの新たな分析指標を確立すること、②指標を検証するために他都市で同様の調査を実施し、分析すること、③まちづくり団体と連携し市民に伝えることを目的とする。 25年度は小学生のイメージマップ(約1300部)のデータ化及び空間認知、地域意識(建物・交差点などの要素分析及び実際の地図との比較)分析について、学年・地域特性(旧市街地、新興住宅地、過疎地)別に整理し、子どもの認知構造の試案を作成した。これまで主流であった定性的分析に対し、本研究チームはイメージマップ定量化分析法AMQIM(Analysis Method to Quantify Image Map)/イメージマップの定量化のプロセスをQIM(Quantify Image Map)としてその分析手法の構築を行い、子どもの関心範囲が地理的条件に影響を受けることを明らかにした。小学生の遊びの特性については、地域特性別に分析を進めるとともに、空間認知構造とかかわりが深いと考えられる、遊び場写真別にみる子どもの遊びの心象風景を探る調査の分析を進めた。さらに、26年度の都市間比較調査実施のための打ち合わせ等を行い、調査対象都市と校区の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24~25年度は、研究代表者の妊娠・出産・育児に伴う、病気休暇(24年10月~25年2月)・育児休暇(25年5月~8月)の取得により、実施計画が全体的に約半年間遅れていた。さらに、25年9月に仕事復帰したが、時間短縮勤務や育児との両立により、研究時間を充分に持つことができず、また研究分担者及び協力者との連携が不十分であった。 申請者が主に担当する子どもの遊び分析については、24年度分の計画の遅れに伴う25年度の計画(修正計画)に加え、26年度に予定していた海外研究発表の準備を中心に分析を進めたため、やや研究計画とのずれが出ているが、予定通り26年度には海外での成果報告を予定している。 イメージマップ分析については、新たな分析指標として定量分析の方法を試行しており、小学生の描いたイメージマップをもとに、調査員がフィールド調査を行う段階で多くの時間を必要とするため、やや遅れがみられたが、空間認知、地域意識(建物・交差点などの要素分析及び実際の地図との比較)分析について、学年・地域特性(旧市街地、新興住宅地、過疎地)別に整理し、子どもの認知構造の試案を作成した。これまで主流であった定性的分析に対し、本研究チームはイメージマップ定量化分析法AMQIM(Analysis Method to Quantify Image Map)/イメージマップの定量化のプロセスをQIM(Quantify Image Map)としてその分析手法の構築を目指した。AMQIMの手法をもとに各地域の関心範囲と曲がり角・要素数を求め、それらが地理的条件に影響を受けることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、予定通り大都市圏での遊びアンケート調査及びイメージマップ調査を実施する予定である。地方都市部での子どもの遊び状況と大都市圏(名古屋市予定)との比較分析を行う。具体的には、5月:IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)イスタンブール大会にて地方都市部の子どもの遊び状況について研究発表、6月~7月:調査対象地の選定及び調査依頼、9月~11月:アンケート調査の実施と現地調査視察、12月~2月:アンケート調査データ入力・分析、3月:次年度のWS実施のための打ち合わせを行う予定である。 遊び状況分析、イメージマップの分析は別々に進めてきたが、26年度はそれぞれの関係性についての分析を進めることとしたい。そのため、研究チームの打ち合わせ時間を確保していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
妊娠・出産・育児に伴い、研究計画が約1年分遅れているため、年度計画をそれぞれ1年ずつ繰り越しているため。25年度は、さらに実施できなかった打ち合わせ旅費があるため。 年度計画を1年ずつ繰り越しているため、26年度は調査実施に向けて、打ち合わせ旅費(調査分析:福井大学ー石川高専、福井大学ー富山大学。名古屋市調査実施:福井・石川・富山―名古屋)や調査分析補助謝金等で使用予定である。
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