研究課題/領域番号 |
24600011
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
藤田 委由 島根大学, 医学部, 名誉教授 (70173440)
|
研究分担者 |
三浦 美樹子 島根大学, 医学部, 助教 (40447925)
並河 徹 島根大学, 医学部, 教授 (50180534)
田辺 剛 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80260678) [辞退]
天野 宏紀 島根大学, 医学部, 助教 (80293033)
井上 顕 島根大学, 医学部, 准教授 (40469036)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 学校保健 |
研究実績の概要 |
【目的】小・中学生における情報機器使用時間と血清コルチゾールとの関連を検討する。【方法】平成24年から平成26年の3年間に、小学4年生・中学1年生における情報機器使用時間と血清コルチゾールの疫学資料を収集した。自己記入式質問票より、性、学年、起床気分、就寝時刻、睡眠時間、携帯電話使用時間、パソコン使用時間の情報を収集した。血清コルチゾールは質問票調査と同時期、午前8時の空腹時に測定した。血清コルチゾールと情報機器使用時間の関連を平均値の差の検定、性・学年を調整した重回帰分析(P for trend)により検討した。本研究は島根大学医学部医の倫理委員会の承認を得ている。【結果】1037名(小学4年生481名(男240名、女241名)、中学1年生556名(男281名、女275名))が回答した。回収率は92.1%であった。質問票に回答した1037名のうち1035名の血清コルチゾール値を測定した。平均血清コルチゾール値(μg/dL)(SD)は8.5 (3.0) であった。性別には、男の平均血清コルチゾール値(μg/dL)(SD)は8.2(2.7)、女は8.9(3.2)で女の方が男より有意に高い(P<0.01,P for trend<0.01)。年齢別には、小学4年生の平均血清コルチゾール値(μg/dL)(SD)は8.1(2.8)、中学1年生は8.9(3.1)で中学1年生の方が小学4年生より有意に高い(P<0.01,P for trend<0.01)。起床気分が悪い者は、起床気分が良い者に比べ血清コルチゾール値が有意に高かった(P for trend<0.01)。睡眠時間が8時間未満の者は、8時間以上の者に比べ血清コルチゾール値が有意に高かった(P<0.01)。就寝時刻が午後11時以前の者と比べると、午後11時以降の者は血清コルチゾール値が有意に高かった( p<0.01,P for trnd<0.01)。携帯電話の使用時間が30分以上の者の血清コルチゾール値は、30分未満の者に比べ有意に高かった( P<0.01,P for trend<0.01)。パソコン使用時間が30分以上の者の血清コルチゾール値は、30分未満の者に比べ有意に高かった(P<0.01)。【結論】小・中学生において血清コルチゾール値と情報機器利用との関連が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、平成24年度から26年度までの3年間で小学4年生、中学1年生を対象に情報機器利用と生体内ストレス指標との関連を解明する。情報機器利用に関する疫学指標は自記式質問票により3年分を収集した。生体内ストレス指標は血清コルチゾールを3年分測定した。しかし、ADMAの測定は前処理や測定に時間がかかり、測定スタッフの労力・負担が大きいことから平成24年度の1年分しか終了していない。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度、平成26年度のADMAを測定し、これらをまとめた上での本研究の総まとめを行い、結論を示す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、平成24年度から26年度までの3年間で小学4年生、中学1年生を対象に情報機器利用と生体内ストレス指標との関連を解明する。情報機器利用に関する疫学指標は自記式質問票により3年分を収集した。生体内ストレス指標は血清コルチゾールを3年分測定した。しかし、ADMAの測定は前処理や測定に時間がかかり、測定スタッフの労力・負担が大きいことから平成24年度の1年分しか終了していない。
|
次年度使用額の使用計画 |
未使用額の12万8千円は平成25年度、平成26年度分のADMA測定費用に充てる。
|