研究課題/領域番号 |
24600013
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
當眞 千賀子 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (60311148)
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キーワード | 子育て支援 / コミュニティ / 異年齢 / 発達 / 文化 / 保育 / 臨床 / 親子 |
研究概要 |
本研究は形成的フィールドワークを方法論として、親子の成長を支える子育て支援実践の創造的継承を可能にする実践システムを構築しつつ、その形成過程を明らかにすることを目的としている。 初年度であった平成24年度は、親子が互いに育み合える関係を築くことを支える体験型の支援を実践する力量を身につけた保育士(以後「熟達保育士」)がその専門性を他の保育士に受け継ぐ営みを保育所の日常活動の中に織り込む際に生じる問題を同定するとともに、創造的継承にはどのような保育所全体の体制上の工夫が必要かを実践形成プロセスを通して明らかにした。 2年目である平成25年度は、初年度の成果をベースとして、新支援担当保育士が自らの持ち味を活かしつつ支援実践を展開しながら工夫を重ね実践データを蓄積した。具体的には新支援担当保育士が初年度の体験を活かして親子育成的な体験型支援実践を試み、熟達保育士が必要に応じて支援実践の過程をモニターしつつアドバイスを行うプロセスをビデオデータとして蓄積するとともに、申請者は、継承の過程を観察(直接観察とビデオ記録を通した観察)しモニターしながら創造的継承を支える工夫を生み出していった。この実践形成の過程を通して、親子の成長を支える支援実践を創造的に継承していくために保育士がどのような学びを重ねることが必要かを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに継承実践の形成を試み、そのプロセスの記録を蓄積することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる26年度には、必要に応じて事例の蓄積を継続しつつ分析を完了し、上述した24年度、 25年度の成果を統合して、親として育つことを適切かつ効果的に支援し、子どもの育ちを支える体験型支援実践 の創造的継承の仕組みとしてまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
ビデオデータの分析補助作業を、一部ボランティアの参加が得られたことから予定より効率よく進めることができたため。 国際学会での成果発表に必要な海外渡航旅費の一部として活用する。
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