研究課題/領域番号 |
24600017
|
研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
椎野 亜紀夫 北海道科学大学, 工学部, 教授 (00364240)
|
キーワード | こども / 自然体験 / 波及効果 / 保護者 |
研究概要 |
「北海道における二世代への調査を通じた自然体験活動の波及効果の検証」 本研究はこどもの自然体験活動への参加がこども自身の心身の成長をもたらすに留まらず、親のレクリエーション活動の充実や地域での人的交流促進に寄与しているのではないかという研究仮説のもと、北海道を対象として二世代(子世代とその親世代)への調査を行い、こどもの自然体験活動の親世代への波及効果について検証することを目的に調査・研究を行った。2年目にあたる平成25年度は、札幌市を中心に月1回の頻度で児童の自然体験活動を行っている団体(手稲アウトドア・クラブ)の活動に同行し、観察調査、参加児童への聞き取り調査により活動場所、活動内容、活動の対象となった自然資源と教材としての活用方法、活動実態を把握した。また1年間の活動の振り返りとして、活動参加児童とその保護者を対象としたアンケート調査を行い、児童に対しては活動の中で気づいたことや発見したこと、活動後の生活の変化について、保護者に対しては活動参加をきっかけとしたこどもの成長や変化、また家庭全体のレクリエーション活動への影響などについて集計・分析を行った。また3年目に向けた調査対象候補団体の選定向けた予備調査として、NPO法人モモンガくらぶ(登別市)職員への聞き取り調査、活動場所の視察等を行い、本研究の対象団体として適切であると判断し、3年目の調査協力を依頼、了承をいただいた。また同団体の過去2年間分の年間活動報告書を研究資料として提供いただき、資料をベースとした活動実態把握を行うとともに、次年度のアンケートに向けた調査票作成を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に先進事例視察として自然幼稚園(こどもの森ポラーノ、北海道札幌市西区)を対象とした視察を2ヶ月に1回の頻度で実施し、季節ごとの活動の様子について把握するとともに、教員へのインタビュー調査、保護者へのアンケート調査を実施、成果を学術論文として論文投稿し、2014年3月に掲載が決定した(ランドスケープ研究オンライン論文集Vol.7、日本造園学会)。また札幌市において自然体験活動を月1回の頻度で展開している団体(手稲アウトドア・クラブ)の活動に同行し、観察調査により活動内容、活動場所等の基礎データ収集を行った。合わせて1年間を通じた振り返りとして参加児童ならびに保護者を対象としたアンケート調査を行い、活動による子ども自身の成長や生活変化、子どもの参加を契機とした保護者の意識変化、レクリエーション活動への影響などについてまとめた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度に実施した手稲アウトドア・クラブの活動実態と参加による子ども・保護者への影響について調査結果をまとめ、学術誌への論文投稿を行う。また事例調査として北海道内の先進事例を対象とした同様の調査を行い、活動の実態と成果について事例の比較・検討を行うこととする。なお計画当初はNPO法人ねおす大雪山自然学校(東川町)を対象とした二世代へのアンケート調査を行う予定であったが、登別市ネイチャーセンターふぉれすと鉱山を拠点として自然体験活動を展開しているNPO法人モモンガくらぶを対象とした予備調査を行った結果、児童を対象とした自然体験活動を頻繁に行っていること、施設内と周辺の自然地域にとどまらず、都市域(市街地内)へ出て行って都市緑地を活用した体験活動を行い、自然地域での活動参加を促すユニークな取り組みを行っていることが明らかとなった。本研究の調査対象としてより適切な事例である判断されることから、3年目はNPO法人モモンガくらぶを対象とした調査・研究を行う。 またこれまでの研究成果を総括し、研究報告書の作成を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
調査予定地(登別市)が調査機関(札幌市)から距離的に離れた場所にあり、複数回の調査を行うに当たって一定の旅費支出が必要となる。 主として調査対象地(登別市)までの旅費に使用する。
|