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2012 年度 実施状況報告書

乳幼児-養育者の関係性評価法の信頼性・妥当性について

研究課題

研究課題/領域番号 24600018
研究種目

基盤研究(C)

研究機関目白大学

研究代表者

青木 豊  目白大学, 人間学部, 教授 (30231773)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード乳幼児 / 関係性評価 / 親乳幼児精神療法
研究概要

本研究の目的は、以下2つの乳幼児-養育者の関係性評価法の信頼性・妥当性を検討することにある。乳幼児-養育者の目に見え、耳に聞こえる相互交渉Interactionの評価法Caregiver-Child Structured Interaction Procedureと、養育者の乳幼児についての/乳幼児との関係についての表象の評価法Working Model of the Child Interview(WMCI)の2つの評価法である。対象は、相州乳幼児家族心療センターを訪れた連続的な症例で、最新のものからさかのぼり、両親が研究に同意した乳幼児とその養育者を対象とする。昨年度H24年度は同研究の初年であり、主に2つの目的を果たすことが課題となった。第1に、上記2つの評価法を評定する資格を有する評価者を育てることであった。この過程では、上記2つの検査を開発したZeanahらの行う研修を評価候補者が受講し、信頼性テストに合格する必要があった。WMCIについては、2人の候補者がオーストラリアでH24年夏に開かれた研修を受けた。近々資格検定のテープの評定を開始する予定である。Caregiver-Child Structured Interaction Procedureについては、残念ながら昨年度Zeanahらにより研修が行われなかった。そのため同評価法の評定のめどが現時点では立っていないのが実情である。第2の重要な課題・作業は、研究対象の洗い出しとデータの整理および入力である。入力すべきデータは、上記2つの検査結果(評定結果)を除いたもので、CES-D Scale(養育者の抑うつ)、STAI(不安)など多くのデータである。同作業は、進んでおり少なくともH24年4月1日から以前にさかのぼり、約70例のデータが入力されつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実績の概要に記したように、H24年度の計画は、1.連続的に現在まで集まっているデータの整理と入力、2.2つの関係性評価法Caregiver-Child Structured Interaction ProcedureとWMCIの正式に信頼性を持った評価資格をもつ評価者の育成であった。1.については着実に予定どおり進んでいる。2. WMCIの評定者確立は順調・予定どおり進んでいる。2人の候補がZeanahチームの正式なWorkshopを受け、準備テープの評価を終え合格した。次にH25年7月に合宿して信頼性テストDVDの評定を行い、米国に送りその結果を待つことになっている。一方Caregiver-Child Structured Interaction Procedureについては、ZeanahチームがH24年度Workshopを開催しなかったため評価者の資格獲得への過程が進まなかった。H25年5月13日時点で、ZeanahチームからPhiladelphiaにおいて6月初旬に同評価法のWorkshopが開催できるとの通知を得た。このWorkshopに参加可能な候補者を現在早急に捜している最中である。同Workshopに候補者を送り込めない場合、我々の候補者とこの検査方を学びたい日本の研究者や臨床家を募り、米国あるいは日本において研修開催をするべく、Zeanahらチームに交渉する予定である。

今後の研究の推進方策

まずCaregiver-Child Structured Interaction Procedureの正式な資格を有する評価者を我々が獲得することが本年度の課題である。上記のPhiladelphia Workshopに参加可能な候補者を捜し、参加してもらう。それが不可能な場合も遅くともH25年秋ごろまでに、Workshopの開催を我々の主導で行う。この過程をクリアすれば、H25年中にWMCI, Caregiver-Child Structured Interaction Procedure の正式評価者を得ることができる。H26年1月から研究対象の2つの評価法の評価に着手し、少なくともH26年の夏までには、評価を終えデータ入力を行う。
同時期までに、関係性評価以外の検査-養育者の背景、不安(STAI),うつ(CES-D),育児ストレス(PSI)などの入力を終えることはたやすい。そこで、H26年夏から2つの関係性評価の信頼性、妥当性を検討すべく、統計的処理に着手し、秋ごろまでには分析結果を得る。

次年度の研究費の使用計画

Caregiver-Child Structured Interaction Procedureの正式な資格を有する評価者を確保するためPhiladelphia Workshopに人員を派遣する必要がある。その経費に研究費の一部を充てる。また評価者を育成した後,実際のデータ処理を依頼するため,その人件費に充てる。また本研究で使用するデータは,医療的臨床データなため,その扱いには注意が必要である。そのためのデータ保管,データ管理,データ処理などに関する物品等に経費を用いる予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 愛するということ-愛着2013

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 雑誌名

      思春期青年期精神医学

      巻: 22(2) ページ: 73-80

  • [雑誌論文] 短縮版アタッチメント行動チェックリストの作成とその信頼性・妥当性の検討2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊、福榮太郎、吉松奈央
    • 雑誌名

      明治安田こころの健康財団研究助成論文集

      巻: 47 ページ: 48-55

  • [雑誌論文] アタッチメント研究・理論に基礎付けられた乳幼児虐待に対するアプローチ:1症例の検討2012

    • 著者名/発表者名
      青木 豊,松本英夫,井上美鈴
    • 雑誌名

      児童青年期精神医学とその近接領域

      巻: 53(1) ページ: 25-45

    • 査読あり
  • [学会発表] 世代間伝達を断ち、次世代のレジリエンシーを育む ~アタッチメントとトラウマの視点から~2013

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 学会等名
      日本トラウマテイック・ストレス学会
    • 発表場所
      帝京平成大学
    • 年月日
      20130511-20130512
    • 招待講演
  • [学会発表] 親子関係性の評価と支援2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会
    • 発表場所
      高知県立大学
    • 年月日
      20121207-20121208
  • [学会発表] 親子の関係性への介入2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 学会等名
      日本心理臨床学会
    • 発表場所
      愛知学院大学
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [学会発表] 愛着2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 学会等名
      日本思春期青年期精神医学会
    • 発表場所
      RCC文化センター(広島)
    • 年月日
      20120707-20120708
    • 招待講演
  • [図書] 乳幼児-養育者の関係性 精神療法とアタッチメント2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 総ページ数
      219
    • 出版者
      福村出版
  • [図書] 障害児保育2012

    • 著者名/発表者名
      青木豊
    • 総ページ数
      203
    • 出版者
      一藝社
  • [図書] アタッチメント, 虐待を受けた子どものケア・治療2012

    • 著者名/発表者名
      奥山眞紀子、西澤哲、森田展彰
    • 総ページ数
      pp56-78
    • 出版者
      診断と治療社

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公開日: 2014-07-24  

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