研究課題/領域番号 |
24600023
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
渡邊 かよ子 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (90220871)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メンタリング / メンター / 青少年 / 生涯発達 / 生涯学習 |
研究実績の概要 |
本年度は青少年向けメンタリングとメンタリング・プログラムに関する文献分析に加え、日本の先駆的な青少年向けメンタリング・プログラムである広島市青少年支援メンター制度(広島市子ども未来局所管)のメンターへのインタビュー調査を実施させていただいた。これらのインタビューの調整は同メンター制度事務局が行ってくださり、場所も市役所のメンタールームで実施させていただいた。過年度に実施した第1回目の5名の方へのインタビュー調査に加えて、本年度は第2回目のインタビュー調査を6月に6名、第3回目のインタビュー調査を3月に5名の方に協力をいただくことができた。本年度は計11名の20歳~80歳代のメンターから、ご自身のメンタリングの活動状況、参加の動機、メンティやその家族との関係性等について、お一人2時間にわたり、お話を伺った。欧米で機能しているメンタリング・プログラムが日本でも同様に機能するのか、日本文化でメンタリング運動が発展しない日本においてはメンタリング運動の発展を阻むどのような文化的要因があるのか等を具体的なエピソードを含めてじっくりと伺い、日本においても円環的生涯発達支援としてのメンタリング・プログラムは十分に機能していることを確信することができた。 上記インタビュー調査と並行して、海外のメンタリング運動の実践に関する資料分析を行い、日本生涯教育学会第35回大会にて「米国連邦政策と青少年向けメンタリング・プログラムの効果」と題した発表を行い、また学内紀要『愛知淑徳大学論集-教育学研究科篇』第5号に「青少年向けメンタリング・プログラムにおける交流継続に向けた効果的実践に関する考察」を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、広島市青少年支援メンター制度で活動されるメンターの皆さんに、夏、秋、春の3度のインタビューを実施し、今年度だけで15人、過年度を合わせて20人のメンターの方へのインタビューを実施する予定であったが、8月末に広島市の豪雨災害が発生し、被災された関係者の方々や広島市役所の当該部局の担当の方のお忙しさを察するに余りある状況となり、秋のインタビューは見合わせ、その分、秋は文献研究を集中的に実施した。結果的に現在15人の方へのインタビューに留まっており、研究期間の延長を願い出た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は昨年できなかった第4回目のインタビュー調査を広島市青少年支援メンター制度の参加者にお願いし、これまでの申請者が実施してきた量的研究と質的研究(インタビュー)を合わせた成果をまとめ、学会発表と本格的な論文執筆を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に広島市青少年支援メンター制度で活動するメンターへのインタビュー調査を年3回(6月、9月、3月)計画していたが、8月末の広島市豪雨で同制度関係者が被災されたり、事務局担当の方が豪雨被害の対応で大変お忙しく、それどころではないご様子が見てとれ、9月のインタビュー調査は見合わせた。その分の旅費、ならびにこれらのインタビュー調査の成果を発表するための学会出張旅費が残額として生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、広島市でのインタビュー調査を継続実施し、そのための旅費としたい。加えて、これまでの成果をまとめて日本教育学会等で発表するための旅費として使用したい。
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