(1)アキシャル面内の正確な解像力指標を低コントラスト高雑音条件で得る技術を確立した。(2)および雑音パワースペクトルを正確に計測する技術を確立した。(3)この両技術を駆使して測定した結果、一部の逐次近似的再構成法においては、正味の画質の改善は無く、被曝低減できるという一般の報告は誤りであることは確定できた。 (4)一部の逐次近似的再構成法においては、体軸方向の解像力に代償を伴い、アキシャル面内だけでは評価が完結しないことを確認できた。このため、体軸方向の解像力指標としてslice sensitivity profile(SSP)を低コントラスト高雑音で取得する技術を開発した。本技術はまだ最終的な性能確認を要するが、これを用いて(5)多数の逐次近似的再構成法について、体軸方向の解像力の顕著な悪化を定量的に確認した。学会発表等でこれらのことは関係研究者等に報告している。 また、多数の講演で一般的な画質評価法の問題や、我々の知見を報告し、合わせて逐次近似的再構成法に対する誤った理解について解説した。これにより、次近似的再構成法の画質の理解と誤った評価法による混乱とについて、少なくとも本邦ではある程度正しい理解され、是正の方向とすることができた。
|