X線と被写体の主な相互作用には、吸収、屈折、散乱がある。本研究では散乱の効果をコントラストとする極小角散乱X線イメージング法の新たなものとして透過型アナライザ結晶(Laue case)を用いた手法を開発することを目的とした。 乳がんの病理標本を撮影試料としたが、透過型アナライザ結晶による屈折コントラスト画像とは異なった被写体内の情報が得られることが分かった。また、従来の反射型アナライザ結晶(Bragg case)を用いた極小角散乱X線イメージングよりもはるかに高感度であった。今後は、極小角散乱X線画像と顕微鏡による病理像との対比が必要となるが、本手法は新たな画像診断法の可能性を示すものとなった。
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