研究課題
非物理ウェッジや強度変調放射線治療といった経時的に線量分布が変化する放射線治療法が普及しているが、3次元線量分布の時間変化が検出できる4次元線量分布測定器はない。申請者達は新たにプラスチックシンチレータから得られるシンチレーション光を外部からカメラを用いて取得し、収集光量の時間変化を追うことで4次元線量分布が取得できる測定器を提案した。H26年度では、円柱形のプラスチックシンチレータと円錐形の鏡で構成した測定器を用い、以下の内容を実施した。冷却CCD(電化結合素子)カメラで検出されるシンチレーション光の基礎特性を評価した。光量と線量は直線関係があり光量から線量を求めることが可能であった。また、ビームパルスに対応した光量の低下もノイズに埋もれること無く観測できた。次に、アーチファクトを取り除くために測定器の改良を行い、光量分布と線量分布の比較を行った。両分布の差の原因を解析して補正法を考案した。補正を施すことで線量分布を十分な精度で測定できることが判明した。さらに、動的に線量分布が変化する照射を用い、線量分布に対応する光量分布の時間変化が検出できていることを確認した。研究期間全体で実施した研究を通し、当初の研究目的であった4次元線量分布測定が行えることを実証した。本装置を用いることで放射線治療の安全性が今以上に向上する。さらに3次元線量分布の測定も短時間に行え、業務効率の向上等の期待が持たれた。以上の結果は国際学会及び国内学会にて発表した。
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日本放射線技術学会雑誌
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Radiation Oncology
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