研究課題/領域番号 |
24602002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石丸 香苗 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, その他 (00572471)
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キーワード | ブラジル / 土地なし農民運動 / 商品作物 / 自家消費 / 果樹栽培 |
研究概要 |
移入後5年と20年の年数の異なる二つの土地なし農民運動コロニーの生産物の季節変化とそれらが生計に及ぼす影響を解析した。農作物からのカロリー摂取では,年間のうち,推定世帯必要カロリーの80%を満たす月数は,若いコロニーでは一カ月もない世帯が大多数であったが,古いコロニーでは大多数の世帯が半年以上80%を満たしていた。販売収入では,両コロニーにおいてキャッサバの加工品であるファリーニャが多く,古いコロニーではそれに加えて収穫まで年数の掛かる市場価値の高い作物で収入を得ていることがわかった。 また,2000年と2012年を比較した衛星画像データでは,古いコロニーでは果樹によりバイオマスが増大していたが,新しく移入したコロニーではバイオマスロスのみが検出されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3つの分野のうち二つは順調に進んでいるが,教育部門の協力者の都合により解析が遅れているため,当初の予定より達成度が低いとした。
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今後の研究の推進方策 |
教育部門の解析を研究代表者が行い,早急に結果を出すよう努める。農業部門および森林画像解析部門は予定通り調査研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度の調査回数が一人回減ってしまったため旅費が大きく残余が出た。また,現地および日本で調査補助・資料整理補助を雇用予定であったが,調査補助は不要になり資料整理補助は今年度に延長したため残余が出た。 前年度行えなかった調査事項のため調査回数を一人回今年度に増やす。昨年度に見積もっていた資料整理補助を今年度に行う。最終年度であり,学会発表・投稿論文が多く仕上がる予定であるため校閲費の支出および学会参加のための旅費増加を予定している。また,フリーで提供されている衛星画像の精度の適正に応じて必要に応じて衛星画像を購入を行う予定である。
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