研究課題/領域番号 |
24602008
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
吉田 忠彦 近畿大学, 経営学部, 教授 (20210700)
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研究分担者 |
金川 幸司 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (00341470)
東郷 寛 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
後 房雄 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20151855)
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キーワード | コミュニティ・エンパワメント / NPO / 社会的包摂 / マルチセクター・パートナーシップ |
研究概要 |
社会的排除に対するマルチセクター・パートナーシップによる対応の先進事例を求めて、イギリスのバーミンガム市においてフィールドワークを行った。同地はイギリスの中では労働党の強い地区であり、現在の保守党と自民党との連立政権下では必ずしも恵まれた政治環境にない。そのため自治体やボランタリー・セクターが利用できる資金は減少した。しかし、他方で中央政府はコミュニティの自発的活動や自治体活動やアセットのコミュニティへの委譲には積極的であり、同地ではそうした連立政権によるコミュニティ施策を積極的に受け入れ、コミュニティ主体の活動が活発化していた。とりわけボルサル・ヒースとキャッスル・ベールは、国の新しいコミュニティ施策のパイロット地区となり、先進的な活動が進められていた。 バーミンガムの上記2地区のコミュニティ団体の関係者、バーミンガム大学の研究者を対象としたヒアリング調査、現地視察、文献調査を実施した。現在それらのデータの分析中である。 また、日本国内においては、外国人労働者の移住するコミュニティにおいて、NPOや行政が協働してコミュニティ・エンパワメントを実施している岐阜県美濃加茂市を対象としてフィールドワークを行った。 多くのデータを収集したため、その整理(インタビュー音声の反訳等)、分析作業を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたイギリス現地調査も予定通り実施できた。対象コミュニティの活動自体が予定より少し遅れているため、その後の経過を調査する必要があるが、概ね予定していた調査ができた。また、国内調査も予定通りに実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
あと1年の期間となるので、これまでに収集したデータを分析し、マルチセクター・パートナーシップによる社会的包摂の活動のモデル構築を目指したい。インタビューによる音声データが多いので、その反訳作業等で時間がかかるが、できるだけテキスト化することにし、後継の研究にも活用できるようにしたい。 前年度からの繰り越し分については、インタビュー・データの反訳やデータベース化の費用に充てる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたフィールド調査は計画通りに実施できたが、その実施時期が入学試験業務などのためにやや遅れ、収集したインタビューの音声データの反訳作業等が遅れたことが主な理由である。 今年度実施が遅れたインタビューの音声データの反訳作業を、次年度で実施する。それによって繰り越し分は消化される。
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