研究課題
本研究は、東日本大震災後に被災地で住民からの強い要望もあり、単なる調査活動にとどまらず、研究としての必要性を強く感じ、「被災者の記憶に残る地域の伝統的生活文化の認識と再生・継承に関する研究」として実施したものである。調査研究は、東海大学の安原教授と聖路加看護大学の草川氏との共同研究として実施した。また、研究実施中に地元の強い要望があり、文化庁に依頼して、「陸前高田市文化財等保存活用計画」を作成することになり、本研究の成果の多くが反映されることとなった。本研究では,①被災地の地域住民に愛されてきた風土や,風景,民話や絵画、言い伝え等に残る歴史農山漁村の独自の生活文化の構成要素を洗い出し,②景観のみならず,地域の郷土性を認識させる地形や,風土,伝統技術,伝統芸能,伝統行事を行う広場や社寺境内地などの風致等,被災地の生活文化空間の特色を明確にし,③それを再生する手法を検討するための研究として実施した。研究の成果としては、被災と復興計画、高台移転などにより失われつつある、被災地の村社や集落内の屋外空間などを舞台として継承されてきた郷土文化、地域資源を源とする産業と一体となった生活文化、集落や個々の住宅の生活空間において、12か月の歳時記などを浮き彫りにすることができた。被災地は、現在5年が経過し、多くの市民の生活再建が進行する中で、被災直前までまさに現役として地域住民の日常生活の中に継承されてきた多くの風習や生活行事が失われつつあり、本調査研究が果たした役割は非常に大きく、被災地域の風土と生活を後世に伝えることのできる唯一のものとして研究意義は非常に高い。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
The 14th International Landscape Architecture Conference of China, Japan, Korea
巻: 14 ページ: 215-219
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小児保健研究 (0037-4113)
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