研究課題/領域番号 |
24603004
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐藤 由紀 玉川大学, 芸術学部, 准教授 (90568156)
|
研究分担者 |
佐々木 正人 東京大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10134248)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 演技 / ジェスチャー / 発話構造 / 生態心理学 |
研究概要 |
1.先行研究や資料の収集およびリサーチ:国内外の先行研究について幅広くリサーチをおこなった。特に一人芝居を中心としたパフォーマンスの歴史的背景や近年の動向、およびその類型化手法についてのレビューをおこなった。イッセー尾形の各年代の資料の収集した。本研究の代表者が現在所持している映像資料以外の映像資料を収集し、デビューから10年毎に期間を区切り、それぞれの代表作、もしくは比較対象として適当と思われる演目を選定した。 2.「一人芝居の制作および公演」予備実験の準備:佐藤(2003, 2011)が分析対象としたイッセー尾形の演目『ニチゲイ』(2001)から発話を書き起こし、戯曲化し、演技依頼対象者を選定した。その結果、予備実験対象者として演劇集団円の岩崎正寛氏の内諾をいただいた。 3.研究会の開催:まず、研究代表者を中心に、月に1~2回ジェスチャー研究会や生態心理学的行為記述研究会、また演技の実証的分析研究会をおこなった。その際、パフォーマーや俳優等も招き、言語発達心理学者、言語学者、ジェスチャー研究者等幅広い分野の研究者らと広く意見交換や情報交換をおこなった。 次に、研究分担者を中心に、中世スコラ哲学書を中心とした研究会をおこなった。特に、中世におけるリアリズムの転換を探り、行為分析において自明とされている「知覚」という概念に対して、中世において大きな転換があったことをみいだした。 4.環境整備:平成24年度は研究代表者が所属機関を変更したため、機器備品やソフトウェア等の購入をおこない、環境を整備した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献レビューは、イッセー尾形の文献資料のみならず、一人芝居を中心としたパフォーマンス研究の文献等幅広くサーチをおこなうことができた。 イッセー尾形の映像資料については、研究代表者がほとんどの映像資料を所持していたため、一部の購入にとどまった。 予備実験については、実験対象者から内諾をいただき、今後詳細なスケジュールや内容および手法をつめていく段階である。 研究会は月に1~2回、定期的におこなっており、ジェスチャーや行為記述、またその歴史的背景対する知見を深めることができた。 以上の結果より、ほぼ予定通りの進行となっている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度はほぼ予定通りの進展となっている。そのため、平成25年度以降もまずは申請書の計画に従った進行をおこなうことを目標としたい。また、平成25年度は予備実験を予定しているため、データ収集のための機器備品購入や実験対象者との綿密な打合せをおこなっていく予定である。 1.イッセー尾形の演目間比較および分析:前年度までに収集した映像資料をもとに、1980年代、1990年代、2000年代の代表的演目を分析し、比較および検討を行う。 2.「一人芝居制作および発表」予備実験:実験対象者として演劇集団円の岩崎正寛氏を予定している。2週間以内の稽古期間で、最終的には小さなステージもしくは大きめの教室にて『ニチゲイ』を演じてもらう。その様子を左右2台のカメラで収録する。 3.実験後のデータ整理および分析:実験の映像データや実験状況等のデータは大学院生等の補助を受けながら整理する。これらのデータは研究代表者と分担者で共有し、分析を行う。 4.研究会および検討会の開催:上記のすべての活動を遂行するため、実験期間中は適宜、実験期間外も1ヶ月に1回程度研究会を開催し、情報交換を行う。また、分析および検討が終了したものから、順次学会などで報告を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|