研究課題/領域番号 |
24603004
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐藤 由紀 玉川大学, 芸術学部, 准教授 (90568156)
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研究分担者 |
佐々木 正人 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10134248)
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キーワード | パフォーマンス / 演技 / 発話構造 / デザイン / ジェスチャー / 生態学的事象 |
研究概要 |
1.先行研究のリサーチ:前年度に引き続き一人芝居を中心としたパフォーマンスの類型化手法について学際的にリサーチし、資料収集をおこなった。また、特に演劇における演技の類型化を試みている先行研究をレビューした。 2.研究会の開催:研究代表者を中心にジェスチャー研究会、生態学的事象の記述方法を探索する研究会を定期的におこなった。その際、演技の分析単位となる身体的動作の記述方法について、言語学的見地、発達心理学的見地、ジェスチャー研究的見地などそれぞれの学問的背景を持つ研究者と活発な議論をおこなった。また、研究分担者を中心に心理学における中世スコラ哲学の歴史的背景を問い直す研究会をおこなった。 3.実験準備:本実験に向け、実験用機材の選定、購入、試験的撮影をおこなった。研究協力者である東京大学大学院学際情報学府博士課程・青山慶氏と、実験用の機材選定や、そのセッティング、撮影方法等を議論し、機材を購入した。その後、試験的に撮影をおこない、実験に向けた準備をおこなった。 また、本実験に向け、プロの俳優3名(演劇集団円・岩崎正寛氏、劇団総数姉妹・佐藤拓之氏、親族代表・竹井亮介氏)に、一人芝居として成立させるためには、俳優としてどういった条件が必要と思うか、また、一人芝居と実験の差異は何か、についてインタビューをおこなった。 4.本実験対象者の決定:次年度おこなう一人芝居の実験対象者として、演劇集団円・岩崎正寛氏、劇団総数姉妹・佐藤拓之氏の2名から承諾をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度上半期に、研究代表者が大幅に体調を崩し、当初予定していた「一人芝居の制作および公演」の予備実験をおこなうことができなかった。また、イッセー尾形の年間の演技の比較についても、同様の理由により十分に進めることができなかった。 しかし、体調が回復してきた下半期には、俳優へのインタビューをおこない、実験の詳細について考察を深めることができた。そして、本実験に向けた機材選定、購入をおこない、実験の目的、手法、スケジュールやセッティング方法等を決めることができた。 また、一年間を通じて、演技の分析単位となる身体的動作の記述方法について、言語学的見地、発達心理学的見地、ジェスチャー研究的見地などそれぞれの学問的背景を持つ研究者と活発な議論をおこなう研究会を定期的におこなっており、研究会についてはほぼ予定通りの進行となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は予備実験の遂行ができなかったが、機器備品購入および実験対象者からの参加承諾、俳優へのインタビューをおこなうことができ、実験準備は進んでいるため、平成26年度は上半期に実験をおこない、下半期にデータ整理および分析へとすすむことを目標とする。 1.「一人芝居制作および発表」実験:岩崎正寛氏、佐藤拓之氏を予定している。4時間×10日間の稽古期間で、一人芝居を俳優自身で制作。その際、実験ノート、ビデオカメラ(3台)、インタビューノート等をデータとして記録する。稽古最終日の次の日に大きめの教室で公演をおこなう。公演の際、俳優にはインタビューをおこない、観客にアンケートをとる。 2.実験後のデータ整理および分析:実験の映像データや実験状況等のデータは量が膨大となるため、大学生ないし大学院生の補助をうけながら、整理をおこなう。これらのデータは研究代表者および分担者で共有し、分析をおこなう。 3.研究会および討論会の開催:研究代表者および分担者で、実験期間中は適宜、実験期間外にも1ヶ月に1回程度研究会を開催し、情報交換をおこなう。
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