研究課題/領域番号 |
24603008
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
蛭田 直 信州大学, 教育学部, 助教 (80548230)
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研究分担者 |
金箱 淳一 女子美術大学, 芸術学部, 助手 (20586185)
赤羽 亨 情報科学芸術大学院大学, メディア表現研究科, 講師 (00347379)
高尾 俊介 東京藝術大学, 美術学部, 助手 (40597887)
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キーワード | デザイン / アイデアスケッチ / スケッチ / ワークショップ |
研究概要 |
平成25年度は、研究計画を基にアイデアスケッチ手法の開発と開発を行ったアイデアスケッチ手法の映像教材化を中心に計画を進めた。アイデアスケッチ手法については、より共創が発展するテーマの設定や必要となるキーワードなどの言語的要素についても考察を行い、より共創が高まるようにテーマと導入部分を工夫したワークショップの実践をメディア芸術表現基礎ワークショップにおいて「形態と機能I ラピッド・プロトタイピング」として行った。実践したワークショップの成果は、2014年1月23日-1月26日の期間3331 Arts Chiyoda 1F 3331 GALLERYで行われた「メディア芸術表現基礎ワークショップ ex-Workshop展」においてアイデアスケッチと成果物の展示を行った。 映像教材については、スケッチの描画方法について開発が不十分な点があったため、これまでのインタラクティブスケッチをもとに、共創を高める映像教材の開発を行った。開発にあたりプロダクトデザインのレンダリングの習得を目的とした映像教材[1]や映像表現技法を紹介する映像教材を参考に考察を行った。[2] 開発を行った映像教材では、指導者となるユーザーが必要な部分のみを使用できる様に、手順ごとに映像を細分化することが有効であることを明らかにした。 [1]オリバー・ノイランド, 「マーカースケッチデザインDVD Vol.1」, 株式会社トゥールズインターナショナル, 2008 [2]NHK テクネ制作班, 「テクネ映像の教科書 DVD BOOK」, 小学館, 2013
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発を予定していたインタラクティブスケッチ手法をもとにしたスケッチ手法は、必要な描画力を身につける描画方法について開発が若干遅れている。一方で、アイデアスケッチを用いて共創を実現するワークショップをメディア芸術表現基礎ワークショップにおいて「形態と機能I ラピッド・プロトタイピング」と題して開発を行った。このワークショップでは、アイデアスケッチと共に、テーマの設定や必要となるキーワードなどの言語的要素に着目し「防災ライト」をテーマとしてワークショップの開発を行った。ワークショップでは、防災ライトをテーマに設定することで、「いつものとき」と「もしものとき」の2つの使用環境を発生させ、防災ライトに必要となる機能と造形を両立したデザインを考案できるように工夫した。アイデアスケッチを使用してアイデアを共創することから、ワーキングプロタイプを制作するまでを一貫して行うことを目的とした。本ワークショップの参加者は、複数大学の学部生と社会人という本研究の想定する背景が異なる参加者が集まりワークショップを行った。ワークショップの成果物となるアイデアスケッチとワーキングプロトタイプは、2014年1月23日-1月26日の期間3331 Arts Chiyoda 1F 3331 GALLERYで行われた「メディア芸術表現基礎ワークショップ ex-Workshop展」において展示を行い成果を公のものとすることができた。これにより、アイデアスケッチ手法だけでの発表とはならなかったものの研究の成果を発表するに至ったと考える。 映像教材の開発については、指導者となるユーザーに対して目的に対して必要な手順ごとに細分化することが有効であることは明らかとなったが、よりわかりやすい提示方法や映像教材として有効性についてさらなる検証と改良を行う余地がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は26年度で最終となるため、当初の目的である共創を促すアイデアスケッチ手法を確立するとともに、映像教材を含めた指導法の開発を行なう。現在、遅れがあるアイデアスケッチ手法については、描画力と描画方法についての考察を文献、先行研究を再度調査し、明らかにすることで改善を行いたい。映像教材についてもアイデアスケッチ手法の改善と共に改良を重ねてウェブサイトでの公開を行いたい。研究計画では、再生布を使用したプロジェクトと義務教育課程(中学校)での検証を予定しているが、平成25年度に開発を行った機能と造形のワークショップについても専門の背景が異なる参加者を募り、引き続き検証と改善を行いたい。また、アイデアの創造性について、より客観的な評価が必要なためアイデアの評価方法についても再考と検証を行う予定である。 本研究の成果は、2回目の発表として論文を日本デザイン学会に投稿することを予定している。研究の進捗についてはウェブサイトで公開を行う。また、本課題終了後も継続的に活動を行い更新と公開を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
開発を予定していたインタラクティブスケッチ手法をもとにしたスケッチ手法に開発の遅れが生じて、検証が予定通り行えなかったため。 25年度残額と26年度経費を合算して、平成26年度に予定していたアイデアスケッチ手法指導法の実践と検証に必要となる映像機材の追加購入、参加者、評価者への謝金、交通費の経費に加えて、開発に遅れが生じているスケッチ手法の改善を行い、アイデアスケッチ手法を検証するための評価者への謝金、交通費に使用する。
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