研究実績の概要 |
平成26年度は、次の4点を実施した。 1)日本、韓国、中国で、景観に関する評価基準を検討するための意識調査を行った。調査の結果、概ね類似した反応であったが、韓国がやや賑わい感を許容する傾向があった。市民意識調査によって類似した反応があることがわかり、市民の意向を景観誘導に反映させることが可能であることがわかり、また、地域差を考慮する必要があることがわかった。 2)本研究のまとめとして、日本と韓国の屋外広告物誘導に関して指導的な立場にあった専門家(西川潔、武山良三、藤本英子、金明煥)を集め、佐藤優を加えて、これまでの研究や指導の結果について総括し、今後の指針を提示する研究会を開催した。研究者、行政、業界、学生等83名が参加し、充実した意見交換が行われた。 3)韓国桂園芸術大学金明煥教授と共同で、日本と韓国の屋外広告物の誘導方法の違いに関する研究を2年間にわたって行い、研究成果を学術論文としてまとめ、芸術工学会誌No.67,pp40-47,2015に掲載された。 4)本研究の3年間の研究成果を報告書「科学研究費基盤研究(C)24603015『屋外広告物の誘導方針の検討と社会実験』報告書」(全130頁)としてまとめた。この中には、(1)概要、(2)沿道広告の適正化のための基準、(3)トロント市における屋外広告物と建物の景観コントロール、(4)上記芸術工学会論文、(5)市民参加の可能性、(6)研究会の全文、(7)屋外広告物誘導の展望と、研究計画に関連する社会的効用として記載した「アジア都市景観賞の足跡と審査基準について、参考資料として掲載した。 本研究成果は、屋外広告物誘導に関係する行政及び業界、研究者等にとって重要な指針となることが期待される。
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