研究課題/領域番号 |
24603017
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 明 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (80325571)
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研究分担者 |
東 大輔 久留米工業大学, 工学部, 教授 (20461543)
竹之内 和樹 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (90207001)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地面効果 / デザイン / 船舶 / 風洞実験 / CFD / 迎角 / 揚効費 / 前進翼 |
研究実績の概要 |
昨年度までは主に、航空機に近いデザインをベースに研究を進めてきたが、当該年度の研究としては、デザイン的に船舶の形状を彷彿とさせつつ、前衛的で今までに見たことがないユニークなフォルムを与え、そのデザインテーマの上にデジタルモデリングを行った。デザインテーマは、中央にフロートを兼ねたボディがあり、そのボディサイドから左右にステーが伸びパワーソースに連結するという非常に大胆なデザインであり、アグレッシブな印象を与えた。 次に本研究の概要は以下のようなものである。船舶は大量輸送には適しているが、スピード面では陸上輸送や航空機に一歩譲るという印象があるが、海に囲まれ海洋国家とも呼ばれた我が国は、全く新しい輸送機器の提案で、もっと海上輸送を盛んにする事も可能と思われる。それゆえ本研究は、水の抵抗を全く受けず非接触で海面上を滑空し、目的地到着時にスピードが減少すると自動的に着水し、フロート又はボディ等で海上に浮くことができる地面効果翼機の提案を行いたい。その背景は、航空機では大きな抵抗となる翼端渦の発生を水面により低減できるうえ、飛行場の様な大規模なインフラは必要なく、距離的には湾や半島の対岸等にも最短の直線距離で移動でき、かつ陸上輸送よりも相当高速が出る地面効果翼機は、まさに日本の地理的環境に最良の移動機器となる可能性があると考える為である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までは、計画は順調に進んでいたが、当該年度はやや遅れている。その理由は、地面付近での姿勢制御が想定以上に困難であり、機体形状のモディファイを繰り返す必要が生じ時間がかかった為であった。
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今後の研究の推進方策 |
・研究時間短宿とコスト低減に結びつくデジタルモデルによる空力数値解析 ・機能とデザイン性を併せ持つ、リアルモデルによる風洞実験 上記の空力的解析をベースに、デザイン的な完成度の高いデザインモデルの提案を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試作機を製作し、飛行実験により地面効果の有効性と飛行性能を確認したのち、最終モデルの製作を行う計画であったが、飛行実験において予想以上に地面付近での姿勢制御が困難であったため、機体形状の再検討をシミュレーションの段階から繰り返すことを余儀なくされた。このことにより、期間内に最終モデルの製作が行えなかったため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
追加実験の結果に基づいて試作機の修正を行い、飛行性能の向上を確認した最終モデルを本年度に完成させることを目指し、未使用額をその経費に充てたい。
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