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2013 年度 実施状況報告書

医用画像診断のための可聴化や可触化を応用したインタフェースの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 24603018
研究機関大分大学

研究代表者

賀川 経夫  大分大学, 工学部, 助教 (90253773)

キーワードマルチモーダルインタフェース / コンピュータビジョン / ヒューマンインタフェース / 可聴化、可触化
研究概要

本研究では、音フィードバックや振動などの聴覚や触覚モダリティを用いた医用画像診断支援ツールの構築に取り組んでいる。平成25年度は、以下のように音フィードバック情報の生成手法の構築を行うとともにインタフェースの検討・設計を行った。
1.昨年度には、医用画像の特徴からリアルタイムに効果音を生成するテストベッドを構築し、効果音が画像診断に与える影響について検討した。今年度はこの医用画像診断支援ツールのテストベッドを改良し、画像の詳細な解析を可能にした。また、音フィードバックについては、ビープ音だけではなくジングルや楽曲などバラエティを増やすことにより表現力を高めた。
2.昨年度の分析によって生じた問題点の分析と対策を検討した。すなわち、音フィードバックによる違和感の発生について原因を検討した。また、生成される音については、特徴を適切に表現するだけでなく、楽器の音など快適性、聞きやすさを一つのファクタとして考慮することにした。
3.上記ツールを用いて、音フィードバックの効果に関するデータの収集を行った。そこで、本ツールを利用しながら、画像や音声処理経験のない者にインタビューを行い、画像特徴の指示手法や音声の設定方法について検討した。
4.以上のような検討事項と本ツールを用いた実験結果をまとめて、台湾で開催された国際会議CISIS2013、会津若松で開催されたiCAST&UMEDIA2013などの国際会議や大分で開催された火の国情報シンポジウム2014という研究会に参加し、現況のシステムを紹介するとともに、今後の方針に関する議論を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

テストベッドを改良することにより、本格的な支援ツールの構築に着手している。本学医学部より提供された実際の患者の診断データを用いてこのツールを運用することにより、実際の利用者である放射線科医とより具体的な議論を行う事ができている。このことにより、医師が調査時に行う画像から病巣を判断するためのプロセスを明確化し、それに相当する画像処理とそれを補う音フィードバックに関する詳細な検討が可能となっている。また、同時に画像処理やヒューマンインタフェースに関して非専門家である医師が、画像や音を扱う際に必要な情報を考慮しながら、実際に医師が自由に扱うことのできるインタフェースに関する検討を開始している。

今後の研究の推進方策

今後は、実際に画像診断を行う医師に本ツールを利用してもらい、主観評価実験を通して本ツールにおける問題点の抽出を行う。また、本学科の学生にも別の観点より評価実験を行い、利用者による主観評価実験を詳細化する。これらの結果に基づいて、最終的なインタフェースの構築を進めていく。具体的には、以下の課題に取り組む。
1.医用画像支援インタフェースの評価実験。実際に医用画像診断を行っている医師に、通常の画像診断と音を利用する画像診断との比較を行ってもらいながら、インタフェースの評価実験を行う。この時に、画像特徴と効果音との対応づけに関してインタビューを行
い、その結果を効果音の生成手法やカスタマイズの方法について反映させていく。また、画像や音に関して専門知識を有する本学科の学生等に同様の実験を行い、多角的に本インタフェースの問題点について分析する。
2.現在、音フィードバックとして音楽や楽器の音を加えている。このような音の持つ心理的な効果の分析を行う。音が人間の心理状態に影響を与える効果を考慮しつつ、画像特徴の表現に利用する方法を検討する。また、個人差についても評価・検討を行う。
3.インタフェース機能について検討を行う。実際には、音に関するパラメータを調整してもらいながら、作業をすすめることになるが、その際には「使いやすさ」や「自然さ」について評価を行う。
4.研究成果の考察と研究の総括。上記1.~3.の成果を検証し、評価と考察内容をまとめて研究成果として国際会議および国内外での関連学会論文誌に発表し,本研究を総括する。

次年度の研究費の使用計画

実際の医師を対象とする実験を実施するために、実験用計算機の購入を検討しているが、日程的に遅くなってしまったため、年度を越えてしまった。謝金についても同様に遅くなってしまったため、使用することができなかった。
本学医学部の学生や実際の医師を対象とした実験を実施を計画している。そのために機材と人員を準備する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Sonification Method for Medical Images to Support Diagnostic Imaging2013

    • 著者名/発表者名
      Tsuneo Kagawa, Shuichi Tanoue, Hiro Kiyosue, Hiromu Mori, Hiroaki Nishino
    • 雑誌名

      Proceedings of the 7th International Conference on Complex, Intelligent, and Software Intensive Systems(CISIS2013)

      巻: 1 ページ: 766,771

    • DOI

      10.1109/CISIS.2013.138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Medical Imaging Diagnosis Supporting Method with Sound Effects2013

    • 著者名/発表者名
      Tsuneo Kagawa, Shuichi Tanoue, Hiro Kiyosue, Hiromu Mori, Hiroaki Nishino
    • 雑誌名

      Proceedings of INternational Joint COnference on Awareness Science and Technology and Ubi-Media Computing (iCAST-UMEDIA)

      巻: 1 ページ: 338,344

    • DOI

      10.1109/ICAwST.2013.6765462

    • 査読あり
  • [学会発表] 医用画像診断における画像特徴の可聴化に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      賀川経夫
    • 学会等名
      火の国情報シンポジウム2014
    • 発表場所
      大分大学工学部
    • 年月日
      20140304-20140305

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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